みなさんはキノコは好きですか?
食材としてのキノコは食物繊維が豊富でローカロリー、うまみたっぷりで超優等生。いろいろな料理で活躍します。
さらにほとんどが工場生産なので気候変動の影響を受けないので価格も安定していて財布にも優しい。
お馴染みのキノコですが生物学的なことはあまり知られていません。ここでは生物としてのキノコについて豆知識をお伝えします。
キノコ類という野菜はない⁈
食べ物の分類で話すときは「キノコ類」は野菜の一つのグループとして扱うことが多いですね。
しかし、キノコは動物でも植物でもありません。カビとキノコは「菌類」というグループの生きものです。
キノコはからだが菌糸でできていて、目で見える大きさに育ち私たちがキノコと呼ぶのは「子実体」という胞子を飛ばすための形態です。
子実体から飛んだ胞子が発芽して菌糸を伸ばして次の世代の菌類になって命を繋いでいます。
キノコ類という野菜はない⁈キノコは生態系で大事な役割を持っている⁈
キノコには胞子の作り方で子嚢菌類(しのうきんるい)と担子菌類(たんしきんるい)に分けられます。
また、栄養の取り方で腐生菌と菌根菌に分けられます。キノコは生態系で大事な役割を持っています。
腐生菌は落ち葉や倒木、切り株に生える金のことで、植物体の有機物を分解して栄養分として利用します。
腐生菌は生育することで倒木や落ち葉は朽ちて土に帰ります。そう腐生菌は生態系における「分解者」の役割を担っているんですね。
菌根菌は植物と共生している菌です。菌根菌は植物の根に住み着いて土の中から窒素やリン・カリウムなどの無機栄養分や水を吸収し、自分も利用しますが植物にも供給します。
一方植物は光合成で作った有機物の一部を根に住み着いている菌類に与えます。森の中で大きな木が育つには菌根菌の力が必要なのです。
キノコ類という野菜はない⁈キノコは謎だらけ
世界のキノコの仲間で人間が分類して名前がちゃんと付いているものは約2万種、日本では約3千種と言われています。
しかし、それらは実在するキノコの総種数のわずか10%にも満たないという説もあります。
だからキノコの世界は謎だらけなのです。キノコの研究者が森を歩くと、まだ見たことのない新種のキノコに遭遇するのは日常茶飯事なのだそうです。
キノコ類という野菜はない⁈毒キノコには注意しよう
山や森でキノコを見つけたら、「これ食べられるのかな?毒があるキノコかな?」と考えてしまいます。
日本には200種類以上の毒キノコがあると考えられていて、中には致死性の毒をもつものもあり、注意が必要です。毎年キノコによる食中毒が報告されています。
毒キノコの中には食用のキノコに似ているものも多く、素人判断は大変危険です。
キノコに詳しい専門家に安全を確認してもらってから食べたり人にあげるようにしてくださいね。
虫が食べるキノコは安全、香りのよいキノコは安全、毒キノコも加熱したり塩漬けにして毒を抜けば食べられるなどの俗説がありますが信じてはいけません。
キノコ狩りを楽しむのであれば、キノコの同定ができる人と一緒に、そうでなければキノコが生えている様子を観察して楽しむようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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