シカといえば人里離れた山に生息する野生動物です。
ところが奈良公園にはたくさんのシカが生息していて人が近づいても逃げるどころか、エサをねだってきます。
公園内には「鹿せんべい」も売られていて、エサをやることも公認されています。外国人観光客にも人気です。
では、奈良公園のシカは飼育されているのでしょうか?
いいえ、奈良公園のシカは国の天然記念物に指定されている野生動物で飼育されている動物ではありません。
大きな目、美しい体形のシカはかわいい動物ですが、習性を理解した上で接しないとを知らないとけがをしたり持ち物が被害を受けることもあります。
奈良公園のシカは野生で天然記念物?いつからシカは奈良公園に住んでいるの?
さて、奈良公園のシカはいつからいるのでしょうか?
春日大社に祀られている神様は常陸の国(茨城県)から白いシカに乗ってやってきたという伝説があります。
春日大社の造営は768年で、万葉集(750年)に実際にシカがいたことが書かれています。
伝説とも時期が会いますね。奈良公園のシカは神鹿(しんろく)とも呼ばれ、神様の遣いとして昔から大切にされてきたようです。
奈良公園のシカは野生で天然記念物?奈良公園のシカは独自に進化した⁈
最近、福島大学・山形大学・奈良教育大学の研究チームが興味深い発表をしました。
奈良公園のシカの遺伝子を解析したところ、彼らが紀伊半島の鹿の集団から分かれたのはおよそ1400年前で、春日大社ができたころだと分かりました。
その後神様の遣いとして大切に守られ、他のシカ集団と交配することなく子孫を残してきたので、遺伝的にも独自性があるのです。
遺伝子解析の結果が歴史の記述や伝説と一致したことに研究者たちも大変驚いたそうです。
野生のシカなのに人を怖れず、独特のふるまいを見せる奈良公園のシカは遺伝的にも独特なんですね。
奈良公園のシカは野生で天然記念物?奈良公園のシカと上手に触れ合うには?
現在奈良公園のシカは1000頭余りです。
駅を出るとすぐにシカの姿を見ることができます。せっかく奈良公園に来たら、シカと触れ合いたいですよね!
人を怖がらないとはいえ野生動物です。追いかけたり威嚇したりしないようにしてください。
シカのオスメスは角で見分けることができます。オスには角がありますがメスにはありません。
オスの角も事故を防ぐためにのこぎりで切られる場合がありますが、切った後があるのでオスだと分かります。
シカは奈良公園の樹木や草を食べています。観光客があげていいのは鹿せんべいだけなので、決して他の物をあげないようにしましょう。
鹿せんべいは米ぬかと小麦粉でできた安全なシカのおやつです。
鹿せんべいを持っているとシカのほうから寄ってきます。じらさないであげましょう。
鹿せんべいがなくなったら、「ないよ」と知らせれば離れてくれます。
みなさんも奈良公園でシカと触れ合ってみませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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