雷鳥が人懐こいのはなぜ?氷河期の生き残りの絶滅危惧種、中央アルプスで復活作戦!

セキツイ動物

国の特別天然記念物の二ホンライチョウを知っていますか?

人懐っこいと言われる雷鳥はこの二ホンライチョウのことです。

二ホンライチョウは氷河期の生き残りといわれ、標高2000メートル以上の高山に生息している絶滅危惧種の鳥です。

長野県のお土産といえば「雷鳥の里」というお菓子が有名です。ウエハースにホワイトチョコレートを挟んだ美味しいお菓子です。

パッケージにはライチョウの美しい姿が描かれています。このライチョウに会ってみたいと思いませんか?

私は先日中央アルプスの木曾駒ケ岳に登った時に、3羽のライチョウに会うことができました。

「ダーウィンが来た!」で中央アルプスでのライチョウ復活大作戦を見た後だったので、中央アルプスにライチョウ復活が復活したことを実感できました。

ここでは、氷河期の生き残り二ホンライチョウとはどんな鳥か、ライチョウ復活作戦について紹介します。

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二ホンライチョウは氷河期の生き残り、二ホンライチョウとは?

二ホンライチョウはキジ目キジ科の鳥で、北半球北部に広く分布するライチョウの仲間で最も南に分布しています。

氷河期の頃は日本にもライチョウは広く分布していましたが、氷河期が終わって気温が上がるにつれて気温の低い高山に移動した結果、隔離された形で生き残りました。

だから「氷河期の生き残り」と言われています。北欧などではライチョウは食用として食べられますが(北海道のエゾライチョウも)、二ホンライチョウは特別天然記念物ですから食べるなんてとんでもない話です。

現在は北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプスなどに手厚く保護されて生息しています。

体の大きさは大人で37センチほどで見た目はかわいいのですが、「グアオーッ」と特徴のあるしわがれ声で鳴きます。

ライチョウの羽の色は季節によって変化します。夏は白・黒・茶のまだら模様で、冬は尾羽以外は全身白になります。

オスは目の上に赤い羽毛があるので、メスと区別できます。

おもな食物は高山植物の芽や種子です。春から夏にかけては昆虫も食べます。

ライチョウの繁殖期は5月・6月です。繁殖期に入るとオスとメスがつがいで行動するようになります。

この時期にはオスがなわばり争いをしたり、なわばりを見張るために岩の上にいる姿が見られます。

メスは6月にハイマツなどの根元などにくぼみを作って巣作りをして、卵を6個くらい産みます。

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雷鳥は人懐っこいと言われる理由

ライチョウは立山では「神の使い」とされ、昔から大事にされてきました。

そのため立山のライチョウは人が近づいてもあまり怖がりません。ただし、これは二ホンライチョウだけの話です。

わたしの友人はこの夏に北アルプスを縦走して、二度もライチョウに出会えたそうです。(なんてうらやましい)

立山のホテルではライチョウに会うツアーなども企画されています。ライチョウに出会ったら優しく見守ってあげてください。

高山では捕食者になるキツネなどはいませんから、ライチョウにはあまり警戒心がないのでしょう。

しかし、温暖化とともにキツネやカラスなどが分布を拡大したり、シカやニホンザルが侵入して、ライチョウの餌となる植物を食べてしまって、ライチョウの数は減ってしまいました。

私たち登山者の増加もライチョウの住む環境を悪化させる原因になっています。(涙)

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二ホンライチョウは氷河期の生き残り、中央アルプスに二ホンライチョウを復活させる活動

中央アルプスでは、およそ50年前に二ホンライチョウは絶滅したとされていましたが、2018年に木曽駒ケ岳で北アルプスから飛来したとみられる1羽のメスを確認されました。

そこで、環境省は信州大学の研究者を中心に20年8月、北アルプスの乗鞍岳から19羽の二ホンライチョウを中央アルプスに移送するという「ニホンライチョウ復活作戦」を始めました。

さらに那須どうぶつ王国や茶臼山動物園などで二ホンライチョウを繁殖させて、ふ化して発育状態がいいヒナを選んで、親鳥の「故郷」に帰しています。

環境省は25年までに成鳥を100羽前後に増やす計画を立てています。

野生の生き物を復活させるには、彼らがその場所で食物が得られ、巣にできる場所があり、自力で繁殖して子孫を残せる状態にしなければなりません。

放鳥すれば簡単に定着するわけではありません。何度か信州大学の中村先生がライチョウの復活に取り組んでいる映像をニュースで見ましたが、本当に粘り強くライチョウを見守っていました。

先日木曽駒ケ岳に登った時に、山頂付近にライチョウを保護するためのケージがあるのを見ました。テレビで見た活動が行われている現場を見てとても感動しました。

また、乗鞍岳に登った時のガイドさんが自分の会社の若手がライチョウの保護活動に関わっていることを話してくれて「ライチョウは乗鞍岳の宝だ!」と言っていたことも印象に残っています。

この「二ホンライチョウ復活作戦」の様子は2022年9月11日放映の「ダーウィンが来た!」でも取り上げられました。

最近はコロナ禍の影響もあってアウトドアを楽しむ人が増えました。登山をする人も増えました。

アウトドアを楽しむときは、その環境を乱さないように配慮してくださいね。

山に登るとき、私たち人間は野生の生き物たちのすみかに「ちょっとお邪魔させていただく」という気持ちを忘れてはいけないと思います。

山では「取っていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

エゾライチョウと二ホンライチョウについてはこちらの記事からお読みください。

二ホンライチョウについてはこちらの記事にも紹介しています

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