メジロを知っていますか?スズメよりもちょっと小さな緑色の小鳥です。
梅や桜の花に止まっている姿をよく見かけるので、ウグイスと間違えている人も多いです。
目の周りに白い輪っか(アイリングといいます)があるのが特徴です。
メジロと近い種の小鳥に「メグロ」がいるのを知っていますか?地名やバイクの名前ではありませんよ。
特別天然記念物であるメグロを紹介します。
メグロの生息地は?
メグロは小笠原諸島の母島と向島、姉島だけに生息しています。
日本の固有種というより、小笠原諸島の固有種ですから、世界的にも貴重な小鳥です。
季節によって移動しない「留鳥(りゅうちょう)」なので、小笠原諸島では一年中観察することができます。
常緑広葉樹林や果樹園に多く生息していて、海岸から丘陵上部まで広く分布し、人の住む場所でもよく見られます。
人を怖れないので見つけたらじっくりと観察するチャンスです。
母島ではどこででも見られるものの、繁殖環境は母島固有の樹木による森林内です。外来種の繁っている林では繁殖しません。
メグロの特徴は?
メグロは全長14cm・翼長7cm・体重15gで、メジロよりやや大きいです。
目の周りに白い羽毛があるのはメジロと同じですが、その外側に逆三角形の黒色のくまどりがあるのが特徴です。
背中側の羽毛は褐色がかった緑色、胸や腹側の羽毛は黄色です。
メグロは以前はミツスイ科に分類されていましたが、 DNA鑑定によりメジロ科の1属1種に分類されました。
メグロは雑食性でくちばしは細く、花の蜜や熟した果実が好物で、昆虫類も食べています。
例えば、シマグワ・ガジュマル・オレンジ・パパイヤ・ソテツ・バナナなどの実、アリ・オガサワラゼミなど昆虫、クモを食べています。 パパイヤの花の蜜を吸うこともあります。
母島でメグロを探すときは「パパイアの木」を目印にしましょう。メグロはパパイアの果実が好物で、熟している果実を探して待っていると見つけやすいですよ。
幹にぶら下がって葉の裏の昆虫類を捕食したり、樹皮のすき間にいる昆虫を舌で捕まえるメグロや、森林の中を歩き回って昆虫を捕まえるメグロの姿が見られることも。
メグロの生態は?
メグロはオスとメスのペアで生活します。ペアになるといつも一緒に行動します。
繁殖のときにはオスメス交代で卵を温める様子が観察されます。夜は枝の上で身を寄せ合って眠ります。(接触就眠)
冬季になると群れを形成することもありますよ。
メグロの鳴き声は「フィーヨ」という笛の音のような声です。
昼間はほとんどさえずりませんが、4~6月の繁殖期には日の出前にしきりにさえずります。
よく鳴く鳥なので、バードウォッチングの際は鳴き声を頼りにさがしてみてはどうでしょうか。
メグロの巣はヒメツバキやタケ・ガジュマルなどの枝の上に枯葉・樹皮・コケを運んで作ります。
一度の産卵で2~4個の卵を産み、10日~14日でふ化します。幼鳥が成鳥と大きさが同じになるまで子育て期間が続き、巣作りから子育てまでオスとメスが共同で行います。
とても身近な野鳥であるメジロ、散歩に出かけるとあちこちでかわいらしい姿やかわいい鳴き声に遭遇します。
これに対してメグロは小笠原諸島まで足をのばさなければ会う事ができない希少な野鳥、いつか会いに行きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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