「マンボウ」を知っていますか?魚のマンボウですよ!マンボウは「昼寝」をしますが、その謎がわかりました!8月21日の「ダーウィンが来た!」で特集されました。
大きくて、普通の魚の下半身がないようなユニークな見た目はインパクトが大きいので、キャラクター化されていますね。
また、マンボウは一度に何億個も卵を産む魚であることを知っている人も多いでしょう。
私はずっと博物館のホルマリン漬けや写真や動画でしかマンボウを見たことがありませんでしたが、下関市の「海響館」で、泳いでいるマンボウを初めて見ました。
先日は、福岡市の海の中道マリンワールドのバックヤードでもチラッと見ました。
横から見たら大きな魚ですが、厚みがないので正面から見たらちょっと笑えます。(マンボウさん、ごめんなさい)
知っているようで知らないマンボウについて紹介します。
マンボウの昼寝の謎!マンボウの特徴・寿命は?
マンボウはフグの仲間です。
外洋の表面でプカプカ浮いて生活をしていると考えられていました。
このようすが昼寝をしているように見えるので、「マンボウの昼寝」と呼ばれています。
「マンボウの昼寝」には2つの理由があることが最近わかりました。
1つ目の理由は、体に付いている寄生虫を海鳥に食べてもらうためです。
マンボウが寄生虫を海鳥に食べてもらうために、ヒレを動かしてアピールする様子も「ダーウィンが来た!」で出てきましたね。
マンボウは病気の原因にもなる寄生虫を食べてもらい、海鳥は寄生虫という「ごちそう」が食べられる、お互いに利益がある関係を相利共生といいます。
2つ目の理由が深海で下がった体温をあげるためです。
最近マンボウの行動調査で深海と行き来をしていることがわかりました。
深海まで潜って餌(おもにクラゲ)を捕っているということは結構泳ぐ力もあるということを示しています。たった8分間で水深200メートルまで潜ります。
「マンボウの昼寝」は何やってんだよ!と突っ込みたくなるくらいのんびりして見えますが、実は生きていくうえで欠かせないことだとわかってびっくりしました。
マンボウの寿命と体の特徴は?
マンボウの体長は最大4メートル、体重は最大2.3トン(サイと同じくらい)、硬骨魚最大の魚です。
体は横から見ると円盤型をしていて、前から見るとラグビーボールのような紡錘形をしています。
ひれの形も独特で、背びれと尻びれは発達して、体の後部から上下に突き出していますが、普通の魚に見られる腹びれと尾びれがありません。
背びれと尻びれを鳥の翼のように動かして泳いでいます。
体の後ろ側にあるフリルのような部分は、背びれと尻びれの一部が変形したもので、舵びれといいます。
小さな丸い目におちょぼ口、穴状のえら穴はフグの仲間の特徴です。よくマンボウの姿を図鑑で見ると「なるほど!」と思いますよ。
実はマンボウは謎多き魚なんです。沖から遠く離れた外洋で生活していて、個体数も少なく、捕まえることが難しいので、調査できていないことがたくさんあります。
マンボウの寿命は20年くらいと考えられていますが、これは水族館で飼育した結果からの予想です。
一度に卵を3億個産むという話も、マンボウを解剖して卵巣に入っている卵が3億個だったからで、実際に産んだ卵を数えたわけではないのです。
仮に3億個の卵を産むとしたら、大人になる確率はとても低いことが想像できますね。もしも、生存率が高かったら海はマンボウだらけになってしまいます。
マンボウの繁殖については、まだ分かっていないことがたくさんあります。
マンボウは最大のフグ!マンボウの飼育は難しい?
マンボウは外洋性の魚なので、海で泳いでいる姿を私たちがじかに見ることは難しいです。
また、マンボウは水族館で飼育をするのも大変難しいという話を下関市の海響館で聞きました。
マンボウの目は横についているので、左目と右目の視野が重ならず、距離感がつかめません。
マンボウがふだん暮らしている外洋であれば障害物はないので何かにぶつかって傷つくことはありませんが、水族館の水槽は狭いので、壁にぶつかって傷ついてしまいます。
傷ついたことで弱って死んでしまうマンボウも少なくありません。
水族館ではマンボウが壁にぶつかって傷つかないように、透明で柔らかいネットで保護したり、柔らかい餌を飼育員さんが水槽に潜って食べさせたりと工夫しています。
また、マンボウの体の表面は粘液で覆われていて、そこにたくさんの寄生虫がいます。
寄生虫がたくさん付いていると、水槽の中で、他の魚と一緒に飼育するには難しいのです。
マンボウは大きいけど弱い?意外とデリケート
さて、謎多き魚マンボウ、8月21日の「ダーウィンが来た!」では、「さかなくん」や研究者の方々の研究の様子が報告されました。
私は「ダーウィンが来た!」のためにNHKの受信料を払っているようなものです。
水族館に行くときは、ぜひ「バックヤードツアー」に参加してください。追加料金がかかりますが、私はそれ以上の価値があると思います。
水槽の裏側で、飼育員さんや獣医さんたちがどのような活動をしているかが分かりますし、それぞれの動物を飼育する苦労話も聞けますよ。
私は海響館(下関市)、海の中道マリンワールド(福岡市)、うみたまご(大分市)でバックヤードツアーに参加しました。
その時に、冷凍されたサメを抱っこしたり、水族館で死んだ動物を解剖して死因を突き止めて、次の飼育に生かすまでが飼育員の仕事であるという話を聞くこともできました。
水族館の入場料は動物園に比べると高いのですが、その理由もバックヤードツアーに参加すると納得できます。
水族館はそれぞれテーマをもって展示をしています。そのテーマを意識して展示を見ると面白さが増します。
ただ水槽を見て癒されるのもいいですが、せっかくなら水生の動物たちにもっと興味を持ってほしいな、海の環境に関心を持ってほしいなと思います。
地球の表面の7割が海であり、今は陸上で暮らす私たちも祖先は海で誕生したのですから。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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