動物園で人気の動物カバ、ずんぐりとしたからだの草食動物、なんだかのんびりした癒し系のイメージがありますよね?
長崎バイオパークでは大きな口を開けたカバにスイカやキャベツなどをあげることもできます。
カバが主人公の絵本もたくさんありますから、小さい頃読んだ経験のある人も多いでしょう。
ところが、カバは動きが機敏で凶暴な動物なんです。アフリカでは動物におそわれて人が死んだ原因の一位はカバなんです!びっくりしますよね?
ここではカバの知られざる能力(速度)について紹介します。
カバの速度 陸上を走るときは?
カバは大人のオスでは体長が5メートル、体重は4トンを超えるものもいる大型の哺乳類です。
頭が大きく、目と鼻のあな、耳が一直線に並んで飛び出しています。これは水中に潜ったまま、周囲の様子を観察したり、呼吸するのに適しています。
動物園では陸に上がっているときは横になっているか、頭を下げてゆっくり動いていることが多いです。
野生のカバが暮らすアフリカではカバの食料となる植物は水中には少ないので、おもに夜になるとエサを求めて上陸します。カバは夜行性の動物なのです。
私はマサイマラを流れるマラ川の近くで、川岸が削られたところを見ました。ガイドさんは「これはカバが上陸するときのカバの道だ。」と教えてくれました。
川からカバのエサ場までの間に侵入者がいると、カバは容赦なく攻撃します。
走る速さは時速40キロ!自動車並みの速さです。あの見かけからは想像できませんね!
陸上にいるカバを見つけたら十分距離を取って刺激しないようにすることが必要です。
カバの速度 水中を泳ぐときは?
カバは日中ほとんどを水中ですごします。カバの皮膚はとてもデリケートで、紫外線に弱いのです。
陸上にいるカバを見ると、ピンク色に見えますが、これは紫外線から皮膚を守る成分を含んだ汗(赤色なので血の汗と表現する人もいます)を出しているからです。
陸上でのカバの走る速さは自動車並みと言いましたが、水中ではどうでしょうか?
カバは比重が大きく、水に入ると浮かずに沈みます。沈んでもおぼれないように鼻のあなは水面上にでるような顔のつくりになっています。
息を止める能力も高くて4分くらいは平気です。
カバは水中は泳ぐというよりは川底をけって走ります。その速度は陸上よりも速く、なんと時速60キロ!
水中では浮力が働くので、陸上よりも速く進むことができるんですね。普通のモーターボートだと追いつかれてしまいます。
もし、川でカバに攻撃されたらボートは転覆、そこにワニがやってきて・・・怖っ!
カバの速度 人間と比べると?
さて、カバの速度について、陸上を走る速さは時速40キロ、水中を走る速さは時速60キロです。
これを100メートルあたりに計算してみましょう。すると、100メートル走は9秒!世界最速の人よりもずっと速いですね。
水中だと100メートル6秒!とても人間のかなうスピードではありません。
動物の能力を人間と比べると、とても驚くことが多いのですが、すべて厳しい自然の中で生きのびて子孫を残すために必要な力なのです。
人間は走ったり泳いだり飛んだりする能力は他の動物よりも低いのですが、その分脳を発達させて道具を作って利用することで生きのびてきたのです。
カバはおもに植物を食べます。食べたエサはすべて消化することはできないので、カバのうんちにはまだ栄養が含まれています。
そして水中でうんちをしますが、その時に尻尾をフリフリして水中にうんちをばらまきます。そのうんちをエサにして生きている魚が川に住んでいるのです。
カバは凶暴? 襲われると命が危ない!
カバは見た目に似合わず凶暴な動物です。カバにはなわばりがあり、なわばりを侵すと容赦なく攻撃します。
あの巨体とスピードで攻撃されると、ライオンでもひとたまりもありません。
さらにカバの最大の武器は大きな口です。最大150度まで開くことができます。
下の犬歯は最大50センチもあり、敵をおどかしたり、攻撃に使うためのものです。
あごの筋肉は発達していて、噛む力はすさまじく、およそ1トン!大きなスイカも簡単にかみ砕いてしまいます。
カバが生息する地域ではライオンよりも恐れられており、最強かつ最凶の動物と言えるでしょう。
アフリカでは年間約500人がカバにおそわれて死亡しているといいます。
どうですか?カバのイメージが大きく変わったのではないでしょうか。
私は一度ケニアのマサイマラ動物保護区で野生動物の観察を経験しましたが、ガイド兼ドライバーさんはカバを観察するときはライオンの群れよりも距離を取っていたことを思い出します。
さて、今度動物園でカバを観察する機会があったら、このブログの内容を思い出して展示の仕方(お客さんや飼育員に危険がないように工夫されています)やカバの歯を注意して観察してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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