ニホンカモシカ(以下:カモシカ)は日本の固有種で、かつては「幻の動物」と言われました。
最近は保護活動が功を奏し、徐々に個体数が増えてきましたので、登山道をあるいていて遭遇した人も多いでしょう。(私はまだ会ったことはありません)
カモシカは「日本書紀」や「万葉集」にも登場しますが、実はシカの仲間ではなく ウシの仲間です。
昭和のころは美脚を「カモシカのような脚」と表現しましたが、もはや死語でしょうか?実はカモシカの脚はとっても太くて美脚とは言えないのです。
カモシカとはどのような動物なのでしょうか?
ニホンカモシカは特別天然記念物?カモシカとは?
ニホンカモシカは偶蹄目ウシ科ヤギ亜科に分類される日本固有の哺乳類です。氷河期の生き残りともいわれ、体重30~45キログラム、寿命は15年くらいとされています。
カモシカの毛色は1頭ずつ異なっていて、黒褐色から灰褐色の黒っぽいものから白っぽいものまで様々です。
オスもメスも15センチメートル程度の短い角を持ち、一生生え変わりません。
カモシカはなわばりをもち、通常は単独行動をしています。2~3頭が一緒にいる場合は多くは親子連れです。
4月から6月がカモシカの出産シーズンで、一度の出産で1頭の子供を産みます。子育て期間は1年間で子供は母親のもとで育ちます。
カモシカはウシと同じで胃袋が4つあり、「反すう」することで消化しにくい木の皮なども消化することができます。
春から夏にかけては低木の葉や新芽、花や果実を食べ、冬は小枝や木の皮を食べます。
おもに早朝と夕方にエサを食べて、座り込んで休息しながら反すうしていることが多いです。座り込んでいるのを衰弱していると間違える人も多いとか。
ニホンカモシカは特別天然記念物?カモシカが絶滅危惧種になったわけは?
カモシカは良質な毛皮や肉をとるために狩猟の対象でした。
しかし、生息数が減少して絶滅のおそれがあるために狩猟禁止になりました。
1925年に狩猟法が改正され、カモシカは狩猟獣から除外され、1934年に天然記念物に指定されました。
天然記念物に指定されてからも密猟が絶えませんでしたが、1954年に全国的に密猟の取り締まりが強化され、1955年には国の特別天然記念物に指定されました。
保護活動の甲斐があって、およそ3,000頭まで減っていたと推定されていたカモシカは徐々に増え、2016年時点では20〜30万頭まで増加したと推測されています。
今でも九州や四国地方のカモシカは数が少なく、これはシカの増加とも関係があるようです。
シカの増加はニホンオオカミの絶滅にも関わっていて、私たち人間の活動が影響を及ぼしていることは間違いありません。
ニホンカモシカは特別天然記念物?カモシカに出会ったら?
私はまだ野生のカモシカに会ったことはありませんが、いつか登山道でひょっこり会えたらいいなと思っています。
本州ではカモシカも数も増えているので、登山やドライブやスキーで出会うこともあると思います。
カモシカに会った時に気を付けることをあげておきましょう。
カモシカは人間を襲うことはありませんので、しばらく静かに様子を見守ると山に帰っていきます。
カモシカに近づかないこと、逃げ道をふさがないことが大事です。
カモシカを驚かせると暴れることもあるので、騒がないこと。
子供のカモシカが単独で、近くに親がいますので触ったり保護したりしないように。
交通事故などで動けないカモシカを見つけたら、自分で何とかしようとは思わずに自治体に連絡しましょう。
野生の生き物と適切な距離をとって、お互いの生活に影響を与えないように心がけましょうね
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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