ハチドリの驚異的な飛行能力をご存じでしょうか?
その羽ばたきはなんと1秒間に60回で、空中に静止しているように見えます。
また、ハチドリは鮮やかな色彩でも知られ、「空飛ぶ森の宝石」とも呼ばれています。
この記事ではハチドリの生態や、私がコスタリカで出会ったハチドリたちの美しさを紹介したいと思います。
ハチドリは日本にもいる?住んでいる場所はどこ?
ハチドリの仲間はアメリカ大陸、特に中央アメリカから南アメリカ大陸の熱帯に多く分布する、大変小さな鳥で、もっとも小さなマメハチドリは全長5cm体重2グラムです。ほとんど昆虫ですね。
ハチドリは日本には生息していません。かつて「長崎バイオパーク」で展示していましたが、最後の一羽(チャムネエメラルドハチドリのチッチ)が2020年6月に死亡し、展示は終了しました。
たまに「庭にハチドリが来た!」という話を聞きますが、それはスズメガという大型の蛾の仲間です。残念!
ハチドリの名前の由来は?英語名はHumming bird
ハチドリは漢字では「蜂鳥」、羽ばたく音が蜂の羽音にそっくりです。また、スローモーションで羽ばたきを見ると8の字に羽を動かしています。これらがハチドリの名前の由来です。
ハチドリの英語名は「Humming bird」羽ばたく音がブンブンとうるさく、せわしなく動くことが名前の由来です。
ハチドリの仲間は300種以上いますが、コスタリカではそのうちの50種くらいが見られるそうです。
今回のコスタリカの旅では至る所でハチドリを見ることができ、いろいろな種類のハチドリが混じっていました。(動きが速いので見分けるのは大変!)
ハチドリは昼間はひたすら蜜を吸い、夜は休眠する⁉
ハチドリのエサは花の蜜です。花の蜜を吸うためにからだは小さくなりました。しかし、昆虫のように花に止まるほど小さいわけではないので、空中でホバリングしながらくちばしを花に突っ込んで蜜を吸う方法を編みだしました。
空中でホバリングするためには高速で羽ばたく必要があり、高速で羽ばたくには大量のエネルギーが必要なのでたくさん蜜を吸う必要があります。
その結果、ハチドリは昼間は休まずホバリングしながら蜜を吸い続けるわけです。何とも効率の悪い生き方ですが、一年中花が絶えることのない中南米の熱帯地方だから生きられるわけですね。
昼間活動する分、夜は死んだように眠ります。夜間は体温を下げて代謝を落とし、エネルギーを節約しているのです。
ハチドリの美しい羽の色のしくみは?
ハチドリの羽の色は紫色や緑色、藍色など多彩、しかも光の当たり方によって違う色に見えます。
これは「構造色」と呼ばれるしくみで、カラスの濡れ羽色と同じです。
構造色は色素を使わずに発色するしくみで、とても細かく複雑な形をした表面の構造体が光を様々な方向に反射させ、特定の波長の光を積極的に反射させることにより色を着けているのです。
シャボン玉の表面が虹色に光ることと同じで、鳥の羽の色の他にも昆虫の体色(タマムシの翅など)にも見られます。
たくさんのハチドリが飛び交うようすは、まさに「空飛ぶ森の宝石」です。
ハチドリにも順位があって、大きなハチドリが蜜を吸いに来ると、小さなハチドリは席を譲るようです。
2024年7月に訪れたコスタリカでは、餌台や吸蜜器を置いて、野鳥を集めている場所がたくさんありました。ハチドリ用の吸蜜器は中に蜜を入れておいて、ハチドリが長い嘴を差し込んで飲めるように横に小さな穴が開いています。
昼食休憩をとりながら、飛び交うハチドリをはじめとした美しい鳥たちを眺めたことは私にとって素晴らしい思い出です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コスタリカで見られる「世界一美しい鳥 ケツァール」については次の記事をお読みください。
コメント