2025年12月19日から22日まで、三泊四日の台湾一人旅に出かけました。
大まかな計画だけを立て、YouTubeの情報やAI、Googleマップを頼りに行動。台湾高鐵、台湾鉄道、MRT、路線バスも利用しました。
ツアーではなく個人旅行だったからこそ、地元の人との触れ合いも大切な思い出になりました。
楽しかったこと、美味しかったことを振り返ってみたいと思います。
福岡から台北へ
福岡空港から台北桃園国際空港まで、チャイナエアラインでひとっ飛び。
福岡空港の滑走路混雑で出発が遅れましたが、フライト時間はおよそ2時間半です。

実は福岡からは、北海道に行くよりも台湾の方が近いのです。
美味しい機内食をいただき、いよいよ台湾の旅が始まりました。
空港からMRTを乗り継いで猫空(マオコン)へ
桃園空港に到着後、入国を済ませてまずは日本円を台湾ドルに両替しました。
手数料がかからない台湾銀行の両替機を利用し、2万円がおよそ4,000台湾ドル(1台湾ドル=約5円)でした。
台湾のSuicaとも言われる悠遊カードを購入してチャージし、空港MRTで台北へ。
台北MRTに乗り換え、板南線から文湖線を乗り継いで動物園駅に到着しました。
動物園駅から徒歩5分ほどで猫空ロープウェイ動物園駅へ。
ロープウェイで猫空駅まで約30分の空中散歩を楽しみました。平日の夕方だったため、それほど混雑しておらず、キャビンを独り占めできました。ロープウェイも悠遊カードで利用できます。

猫空では散策をしながら、温かい豆花と鉄観音茶を味わいました。
生姜風味のシロップにピーナッツとハトムギのトッピングが入った豆花は、歯ごたえも良く、身体に優しいおやつでした。
鉄観音茶は小さな急須と湯呑でいただき、煎じるたびに味や香りが変化するのが印象的で、日本茶とは違った魅力を感じました。
注文時に戸惑っていると、店員さんが優しく英語で対応してくれました。
帰り際に「謝謝、好吃」と伝えると、にっこり笑って「謝謝」と返してくれたのが印象に残っています。

帰りはすっかり日が暮れ、台北の夜景を眺めながら山を下りました。
猴硐(ホウトン)猫村と十分瀑布、そして十分老街でランタン上げ
台湾一人旅2日目は、猴硐猫村と、滝やランタン上げで有名な十分へ向かいました。
事前に調べたところ、8時24分台北駅発の区間車4148に乗れば猴硐まで直通で行けることが分かり、台北駅4番ホームへ向かいました。
ところが、目的の区間車4148が電光掲示板に表示されていません。
駅員さんに尋ねると「4148は運休だから、瑞芳駅まで行って、そこからバスに乗り換えなさい(多分)」とのこと。
4番ホームに来た区間車で瑞芳駅へ行き、一度改札を出てバス乗り場を探しましたが見つかりません。再び駅員さんに聞くと、「次の区間車に乗れば猴硐に行ける」とのこと。
改札に入り直し、無事猴硐猫村に到着しました。

猴硐駅に降り立つと、早速猫たちがお出迎え。
どの猫も穏やかな表情で、人懐っこい様子でした。

猴硐は日本統治時代、炭鉱で栄えた村です。炭鉱の閉山とともに衰退しましたが、ネズミ退治のために飼われていた猫が増え、「世界6大猫の町」として人気の観光地になりました。
猫村には猫グッズの雑貨店やカフェのほか、炭鉱の歴史を伝える博物館もあります。
博物館では、私が日本人だと分かると、受付の方が展示について丁寧に説明してくれました。
猫たちは餌や水を与えられ、段ボールや木製のお家も用意され、とても大切にされている様子でした。
たくさんの猫と触れ合い、芋団子入りのぜんざいを食べて心もお腹も満たされ、次は十分へ向かうことにしました。

猴硐駅で駅員さんに十分への行き方を尋ねると、平渓線が1月末まで不通のため、瑞芳駅へ戻って代替バスに乗るように言われました。
なるほど、台北駅で区間車4148がなかった理由がここで分かりました。
瑞芳駅で代替バスの列に並んでいると、「バスは15人まで。次は3時間後です」という非情なアナウンス。
私は20人目でした。途方に暮れていると、台湾人の女の子3人組が声を掛けてくれ、4人でタクシーに乗って十分へ行くことになりました。

十分では滝を見学した後、十分老街へ移動してランタン上げを体験。
ランタンに筆で願い事を書き、空へ飛ばします。お店の方が写真や動画も撮ってくれました。

帰りの代替バスを待っていると、タクシーで一緒だった3人組と再会し、台北まで一緒に帰りました。
会話は英語でしたが、旅の話や富士山の話などで盛り上がり、楽しい時間を過ごしました。
夜は寧夏夜市で牡蠣オムレツを夕食に。
夜市は大変な賑わいで、屋台を見て回るだけでも楽しかったです。

台湾高鐵で台南へ
台湾一人旅3日目は、台湾高鐵(新幹線)で台南へ向かいました。
チケットは台湾高鐵の公式サイトで指定席を予約し、QRコードをスマートフォンに表示できるようにしておきました。

席は3人並びの窓側で、私の隣には台湾人の老夫婦が座っていました。二人は朝ごはんを食べながら、旅の打ち合わせをしているようでした。
台南到着の30分ほど前に「日本人ですか?」と英語で話しかけられ、その後は台南の観光地や歴史について、いろいろと教えてくれました。列車が高鐵台南駅に到着すると、改札まで案内してくれ、在来線の乗り換え口も丁寧に教えてくれました。
台南では路線バスに乗り、安平区まで移動しました。
バスの運転は噂通りワイルドで、座席に座っていても転げ落ちそうになるほどでした。
安平樹屋は、もともとイギリス商社・徳記洋行の倉庫だった建物です。その後、日本統治時代には日本の所有となり、戦後は台湾製塩の倉庫として使用されました。事務所の移転とともに放置された結果、ガジュマルが建物を覆い尽くす、独特な景観が生まれました。

台南では名物の牛肉湯と、竹炭入りの豆花を楽しみました。
新鮮な牛肉が入ったあっさりとしたスープと、黒豆の風味がする冷たい豆花は、歩き疲れた身体にじんわりと染み渡りました。

安平区からバスで台南中心部に戻り、神農街や林百貨店、赤崁楼などを見て回りました。最後は肉粽(肉ちまき)を少し早めの夕食にして、台湾高鐵で台北へ戻りました。

AIに訊きながら台北観光
台湾一人旅の最終日は、台北市内を観光することにしました。
最初に訪れたのは、迪化街(ディーホアジエ)という古くからの問屋街です。そこで妹たちと友人へのお土産を購入し、その後徒歩で台湾総統府や二二八平和公園へ移動しました。

台湾には、日本統治時代の建物がリノベーションされ、今も現役で使われている場所が数多くあります。私たち昭和世代にとっては、どこか懐かしさを感じる風景でした。

台湾での最後の食事は、台湾のソウルフードである魯肉飯です。
人気の大衆食堂に開店前から並び、出来たてをいただきました。その後、老舗の豆花店で黒糖風味の豆花を味わい、台湾グルメの締めくくりとしました。

台湾一人旅が想像以上に楽しかった理由
今回の台湾一人旅で、何より心に残ったのは、台湾の人たちの親切さでした。
自分だったら、タクシーの相乗りに一人旅の外国人を誘えるだろうか、列車で隣に座った外国人に話しかけられるだろうか――そう考えると、きっとできないと思います。
日本人だと分かると丁寧に対応してくれたお店の方、混雑している中でも席まで手を引いて案内してくれた方。多くの場面で、その温かさに触れました。
台湾の食にも感動しました。500円もあればお腹いっぱい美味しい食事ができ、デザートの豆花も300円ほどです。YouTubeで多くの人が食べ歩きをしているのも納得でした。
大都会の台北にも、地方都市の台南にも、日本ではもう見られなくなった古い街並みが残っています。
その街並みは今も活気にあふれ、とても懐かしい気持ちになりました。
私はかなりの方向音痴で、地図を見ても道を間違えるのですが、今回はAIとGoogleマップを使って迷子になること無く目的地にたどり着くことができました。この達成感も旅の印象をアップしてくれました。
この旅で出会った人の笑顔と味は、きっとこれからもふと思い出す、大切な記憶になると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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