みなさんはアフリカの野生動物に興味がありますか?
ライオンやアフリカゾウ、シマウマなどを実際に見てみたいと思いませんか?
えっ?全部動物園で見たことがある?そうかもしれません。
しかし、動物園の動物は何だか元気がなさそうに見えませんか?最近は動物が快適に過ごせるように工夫した動物園も増えましたが、獲物を探す必要も天敵に襲われる危険もない動物園での動物たちの姿は本来の姿とは言えません。
アフリカは野生動物の宝庫です。そこでは動物たちは自分たちの力でエサを取り、危険を回避して生きています。その姿を見ることで人生観が変わるかもしれません。
私は2019年5月にケニアのマサイマラ国立保護区、2023年6月にボツワナのチョベ国立公園でサファリを経験しました。どちらも素晴らしい思い出です。
この本ではアフリカで「ビッグ5」とされる動物を、私が実際に撮影した写真とともに紹介していきます。みなさんもきっとアフリカで「ビッグ5」に会いたくなるはず!
アフリカの野生動物「ビッグ5」とは?
アフリカの野生動物「ビッグ5」とは、かつて貴族の娯楽として狩りが行われていたころに、仕留めることができたらうれしい動物ベスト5のことです。からだが大きい順番ではありません。
サファリはスワヒリ語で「旅行」という意味です。それが、植民地時代には「動物をハンティングする奥地行」を指すようになりました。
20世紀後半から保護区でのハンティングは禁止され、現在では野生動物は保護され、密猟は厳しく取り締まられています。
現在のサファリは「動物を観察する小旅行」という意味で使われ、「ビッグ5」は観察できたらうれしい動物ベスト5に変わりました。
サファリには、四輪駆動車で観察するドライブサファリの他に、ボートサファリ、バルーンサファリなど多様な楽しみ方があります。
アフリカゾウ
サバンナの最大の動物であるアフリカゾウ。大人の体重は、オスは6トン、メスは4トンで寿命は約70年、キバ(象牙)はオスにもメスにもありますが、オスの方が長く立派になります。
ゾウの長い鼻は上唇が伸びたもので、中に骨はありません。私たちの手に相当するくらい器用に動かすことができます。エサを取ったり、水を飲んだり水浴びをしたりといろいろなことができます。
大きな耳はよく見るとアフリカ大陸の形をしています。相手を威嚇するときは広げて自分を大きく見せます。体温調節に使い、寒いときはからだにぴったり付け、暑いときはうちわのようにパタパタします。
ゾウの太い足はとても敏感で、地下水脈を感じ取ることもできるとか。実は彼らはつま先立ちしていて、かかとの部分には厚い肉のクッションがあります。
ゾウは草食動物ですが、草や木の葉だけでなく樹皮や小枝まで食べます。群れのリーダーは年配のメスで、子ゾウを群れで守りながらエサや水を求めてサバンナを移動します。
チョベ国立公園では川の中洲にゾウがいて、水草を食べていました。川の中洲まで「ゾウカキ」で泳いで渡るらしいのですが、泳いでいるゾウを見ることはできませんでした。
ライオン
ライオンと言えば「百獣の王」威厳のある姿を想像しますが、動物園ではだいたい寝ていますよね。じつはサバンナでも寝ています。この姿こそ「百獣の王」の証拠です。ライオンを襲う動物がいないので寝転んでいられるわけです。(子ライオンはハイエナに襲われることもあります。)
ライオンの活動時間は早朝や夜間で、メスがチームプレイで獲物を捕まえます。マサイマラのロッジに泊まっていた時、明け方にライオンが狩りに成功して、仲間を呼んでいる声を聞きました。その朝のサファリでは顔を血まみれにして満腹でゴロゴロしたライオンたちに会いましたっけ。
ライオンは血縁関係のある複数のメスと数頭のオスで構成される「プライド」という群れで行動します。子供への授乳は同じプライドのメスが共同で行います。オスの子供は成長するとプライドを離れ、血縁関係のない他のプライドを手に入れます。メスの子供は生まれ育ったプライドに残ります。
サイ
アフリカのサイにはシロサイとクロサイがいますが、体色はほとんど一緒です。シロサイは地面の草を主なエサにしているので口は横に広く、広いwideを白いwhiteと書きまちがえて、そのまま名前がシロサイになりました。クロサイはもう一方がシロサイなので、クロサイになったのだとか。(笑)
クロサイは木の葉を主なエサにしているので、口は小さく尖っています。シロサイと比べて小柄で性格はおだやかです。
アフリカのサイのうちキタシロサイはすでに絶滅しました。私はケニアで見たサイはおそらく南アフリカから移入されたミナミシロサイです。クロサイもシロサイも絶滅危惧種です。その原因は角めあての密猟です。サイの角は漢方薬の材料として珍重されているのです。しかし、角は毛が変化したもので、薬効はないとされています。それでも欲しがる人がいれば密猟はなくなりません。
バッファロー
狩りをしていた頃にそのどう猛さから「ビッグ5」に入りました。一頭の大きなオスがリーダーの群れを形成しています。オスどうしは頭突きで順位を決めるため、角の頭頂部のあたりが分厚くなっています。メスの頭頂部は分厚くないのですぐに区別できますよ。
全身筋肉のかたまりで、オスに突っ込まれたらサファリカーもひとたまりもないので、ガイドさんは常にオスのバッファローから距離を取っていました。
ヒョウ
「ビッグ5」の最後はヒョウです。「ビッグ5」の中でもサファリで最も出会うのが難しい動物です。私はマサイマラで3日間ドライブサファリをしましたが、ヒョウにはとうとう出会えませんでした。ガイドさんもヒョウはシャイだから見るのは難しいと言っていました。
ヒョウは夜行性の動物で、昼間はブッシュや木の上に身を潜めているので発見しにくく、独特のヒョウ柄は木漏れ日とマッチした保護色になっています。
木登りが得意で、獲物をライオンやハイエナに横取りされないように木の上に引っ張り上げてゆっくり食べます。
番外編 チーター
ビッグ5の動物をあげた時に、バッファローの代わりにチーターと答える人が多く、とても人気のある動物です。美しいプロポーション、最高時速110キロにも及ぶ疾走、ふわふわのたてがみが可愛らしいチーターの子供、サバンナで会えたら嬉しいですね。
チーターは他のネコ科の動物と異なり爪が引っ込まないので、常にスパイクシューズを履いた状態です。
チーターはアフリカの肉食動物の中でも生態的地位(ニッチ)が低いので、子供はライオンやハイエナに食べられてしまうこともあります。
チーターは昼間に開けた場所で狩りをするので、運がよければチーターの狩りを見られるかもしれません。
まとめ
今回は、アフリカの野生動物「ビッグ5」について紹介しました。動物園で会うことができる動物もいるし、アフリカのサファリに行けば、何度も会える動物もいます。
しかし、紹介した動物のほとんどが絶滅危惧種であり、彼らが絶滅危惧種になった原因は私たち人間の活動です。サファリで動物たちを眺めながら、この光景がいつまでも続くことを願っていました。
日本からアフリカはとても遠いのですが、機会があれば一度足を運んでください。私たち人類の祖先は東アフリカで誕生したと、高校の生物の教科書にも書いてあります。私たち人類のふるさとはアフリカなのです。
私は2019年にケニアのサバンナに到着したとき、「ここが人類が誕生した場所なのか・・・。」と、感慨無量でした。
そしてサバンナは360°地平線の世界、そこでは、動物たちが人間の関与がない中で自給自足の暮らしをしています。日本とは全く異なる非日常がアフリカにはあります。
「アフリカの水を飲んだものは、アフリカに帰る。」という言い伝えがあります。一度アフリカ旅行を経験して魅了されると、何度も行きたくなるということです。マサイマラで同じロッジに泊まった日本人女性はアフリカに魅せられて、何度もアフリカを訪れ、スワヒリ語までマスターしていました。私もその一人で、今度こそヒョウに会うために、次はいつアフリカに行こうかと考えています。(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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