三毛猫のオスはとっても珍しいとか、ペットショップで一匹100万円以上するとか、いろいろとうわさがありますね。
それでは「三毛猫」とは品種のことでしょうか?
なぜ三毛猫のオスは珍しいのでしょうか?その理由を説明します!
三毛猫のオスとはどんな猫?
三毛猫とは白ブチに茶色と黒色の三色の毛色の猫の総称です。
「三毛猫」という品種があるわけではありません。
日本では雑種の三毛猫がもっともポピュラーではないでしょうか。
お金や福を呼ぶ「招き猫」は三毛猫ですし、「うちのタマ知りませんか?」のタマも三毛猫でした。
三色の模様はそれぞれの個体で異なりますし縞模様の入り方も色々なので、一言で説明はできませんが、三毛猫を飼っている人はうちの子の模様が一番かわいいと思っているでしょう。
三毛猫はほとんどがメスでオスは大変珍しいことは有名です。
三毛猫のオスは高値で売買されると言われています。
昔は船に食料を荒らすネズミ退治と航海のお守りとして三毛猫のオスが乗せられていました。
南極観測船宗谷(タロウとジロウの話で有名)には三毛猫のオスのタケシが乗っていました。
三毛猫のオスをはじめとしたイエネコの歴史
ネコ科の野生動物はライオン・トラ・ヒョウ・ジャガーなど大きくて危険な動物ばかりです。
人間と一緒に暮らすのは不可能ですよね。
彼らにとって私たちは飼い主というより生餌です!ではイエネコはいつ頃登場したのでしょうか。
イエネコは今から5000年以上前のエジプトでリビアヤマネコをネズミを駆除するために家畜化したものが最初と言われています。(諸説あります)
ネコを飼っている人はわかると思いますが、どんなに甘えん坊のネコでも突然野生に戻ったような行動をします。
イエネコは牛や馬、犬のように完全に家畜化されていません。
そこが魅力でもありますが、イエネコは小型でないと一緒に暮らす人間にとって危険動物になり得るのです。
だから、イエネコは大型のものでも8キロくらいで犬と比べると小さいのです。
我が家のはなちゃんも猫じゃらしの遊びがヒートアップすると顔つきが変わり、私から奪い取った猫じゃらしをくわえて歩く様子は獲物を捕まえたライオンの姿に重なります。
さっきまで楽しく遊んでいたはずなのに、急に爪や牙でやられた経験をお持ちの飼い主さんも多いことでしょう。
そう、イエネコは今も小さな猛獣なのです。
三毛猫のオスが生まれる仕組みは?性染色体異常⁈
ネコは人と同様に性染色体の組み合わせで雌雄が決定します。
雌雄共通の常染色体の他にX染色体を2本持つ場合、つまり親の精子と卵それぞれからX染色体を受け継いだ個体はメスになります。
一方XYの場合、つまり精子を通じてオス親からY染色体を、卵を通じてメス親からX染色体を受け継いだ個体はオスになります。
「白ブチ」の遺伝子は雌雄共通の常染色体上にありますが、茶色と黒色の遺伝子はそれぞれ別のX染色体上にあるので、X染色体を1本しか持たないオスは白+茶か白+黒の二色が限界になります。
したがって三毛猫のオスは基本的に生まれてこないことになります。
では、三毛猫のオスは?これは多くの場合、性染色体がXXYになる染色体異常(クラインフェルター症候群)のパターンです。
Y染色体上の遺伝子の働きで体はオスになりますが、X染色体が二本あるので茶色と黒の遺伝子が働いて三毛になります。
大変珍しい三毛猫のオスですが、染色体異常なので生殖能力がありません。
高値で三毛猫のオスを手に入れて繁殖させて、三毛猫のオスの子供を売って儲けようということはできませんので悪しからず。
三毛猫のオスはX染色体がモザイク状に発現?
X染色体とY染色体を性染色体と言いますが、性別を決定する遺伝子はY染色体上にあります。
X染色体上には生命維持に関わる遺伝子が存在していて性別の決定には関わっていません。
だからX染色体は雌雄両方にあるわけです。
メスのX染色体の両方が同時に働くと、X染色体が一本しかないオスの二倍の物質ができてしまうので、メスの細胞ではX染色体のうちどちらか片方だけが働き、もう一方はお休みします。
飲み込みの早い人はもうわかりましたね!
三毛猫の茶色の部分は茶色の遺伝子がある方のX染色体が働いていて、黒色の部分は黒色の遺伝子があるX染色体の方が働いているわけです。
体の中でモザイク状に一方のX染色体が働くので、三色の模様に色々なバリエーションがあるというわけです。
X染色体がモザイク状に働く現象は人間も同じです。
女性は体の中で両親から受け継いだX染色体がモザイク状に(ある部分は父親から受け継いだX染色体が働き、ある部分は母親から受け継いだX染色体が働く)働いています。
ネコの毛色のようにはっきりと目に見える形ではありませんが、このようなことが自分の体内で起こっていると考えると面白くありませんか?
三毛猫の可愛い行動の理由は
ネコの可愛い行動の数々に飼い主さんは骨抜きにされてしまいますよね。その行動を科学的に見ていきましょう。
1.つぶらな目でじっと見つめる
ネコは闘争を避けるために、自分よりも順位が高いものと視線を合わせません。
じっと見つめるということは「闘争の相手ではない」と安心されていると好意的に受け取ることもできますが、自分よりも順位が下と判断されていると受け取ることもできます。
2.おでこやお腹をスリスリ
飼い主さんにすり寄って体や小さな額をこすりつけてくる愛くるしい行動。
実は自分の臭いをつけているのです。
ネコはなわばりをもつ動物で、自分のなわばりに自分の臭いをつけてマーキングします。
飼い主さんはなわばりの一部というわけです。
3.ふみふみ
早朝から胸の上にネコが乗ってふみふみして起こされた。猫飼いあるあるです。
新品の毛布もほつれまくり、羽毛布団の羽が出てしまうこともあります。
ネコのふみふみはお母さんネコのおっぱいを飲むときの動きです。
だから、ネコにとってはとてもリラックスしている状態、飼い主であれば毛布や羽毛布団の破損は必要経費と言わざるを得ません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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