ミサゴを知っていますか?ミサゴは「魚鷹(うおたか)」という別名を持つ、魚を狩る猛禽類(もうきんるい)です。
ミサゴの英語名は「オスプレイ」です。そう!アメリカのあの戦闘機の名前の元になったのはミサゴなんです。
ミサゴは水面の上空を旋回して獲物を探し、獲物を見つけるとホバリングして狙いを定めて捕らえます。その姿が戦闘機の名前の由来になったんですね。
ここではミサゴの生息地や狩りの特徴・天敵について紹介します。
ミサゴはオスプレイの語源!生息地は?どこで会える?
ミサゴは全国で繁殖する留鳥(りゅうちょう)です。留鳥とは1年中見られる日本に住み着いている鳥のことを指します。
ミサゴは猛禽類(ワシやタカ、フクロウなどの仲間)では珍しく魚だけを食べます。
だから、海岸や大きな川・湖などで上空を探してみると、旋回するミサゴを見つけることができます。
北九州市の遠賀川の河口付近では狩りをするミサゴの姿がよく見られます。近くに住んでいる人はぜひ出かけて観察してみてください。
今までトビ(トンビ)と思っていたら、よく見るとミサゴだったりするかもしれませんし、魚を捕まえて飛ぶ姿が見られるかもしれませんよ。(超ラッキー!)
では、ミサゴとトビの簡単な見分け方を紹介しますね。
ミサゴはお腹が白く、翼が細長くて尾羽が短いです。飛んでいる姿はカモメにちょっと似ています。水中の魚を捕らえるので脚がとてもたくましいです。
一方トビは全身が茶色で(いわゆるトビ色ですね)、飛んでいるときの尾羽の形は中央がややへこんだ三味線のバチのような形をしています。飛んでいるときの尾羽に注目すると区別できます。
トビは体は大きいですが、生きた獲物を捕まえる力は弱いので、主に動物や魚の死骸やゴミを食べています。
また、トビの鳴き声は「ピーヒョロロ」、ミサゴは「キョキョキョ」です。
ミサゴはオスプレイの語源!狩りの特徴は?
ミサゴは魚専門の猛禽類です。とても精悍(せいかん)な顔をしています。頭に小さいけれど冠羽(立ち上がった冠のような羽)があります。
ミサゴの羽毛は茶色と白色の2色ですがお腹の白色がとても目立ちます。
ふだんは優雅に空を飛んでいますが、獲物を見つけると空中で静止(ホバリング)します。
狙いを定めたら一気に急降下して水中にダイブ!水面から魚をつかんで飛び上がる姿はめちゃくちゃかっこいいですよ!
上空から水中の魚をしっかり狙えるわけですから相当目がいいですね!ダイブするときのスピードは時速130キロ、高速道路を走る車より速いんです!
ミサゴの足のかぎ爪は暴れる魚をがっちりつかんで離さない丈夫な作りになっています。
また、ミサゴの足にはとげもあって、捕まえた魚を弱らせて暴れないようにするためだと考えられています。
羽毛は水をはじくように油でしっかりコーティングされています。
ミサゴは獲物が小さい時は片足でつかみますが、大きな魚を捕まえたときは魚の頭を前にして縦に両足でつかみます。
ちょうど潜水艦の魚雷のような形です。飛ぶときの空気抵抗を小さくする工夫なんです。
他の猛禽類にはない、漁師としての特徴を持つミサゴ、かっこいいですね!
ミサゴはオスプレイの語源!ミサゴには天敵がいっぱい⁈
水中にダイブして魚を捕まえることができるミサゴは、獲物を巣に持ち帰ってから食べます。
この帰り道が大変なんです。なぜなら自分で水中にダイブできないカラスやトビが獲物を横取りしようと狙っているからです。
重い魚をぶら下げたミサゴとトビやカラスの空中バトルはとても迫力があります。どちらも必死ですが、ミサゴの飛ぶ力のすごさがとても分かりますよ!
時にはオジロワシなどの大型の猛禽類に獲物を横取りされることもあります。(涙)
ミサゴは海岸の岩の上や樹の上に巣を作ります。5月から7月ごろに2~3個の卵を産み、卵はメスが温めて1カ月くらいでふ化します。
ふ化したヒナはおよそ2カ月間親鳥から餌をもらって育ちますが、ヒナはカラスの狩りの標的になります。
ミサゴの親鳥が餌を捕りに行っている間に、巣の近くで人間が釣りを始めたために、親が巣に戻れず、ヒナがカラスに食べられる悲劇も起こっています。
ミサゴは天敵がいっぱいで苦労しながら生きているんですね。せめてミサゴの巣を見つけたら、近くで釣りをしないようにしたいものです。
ミサゴはオスプレイの語源!ミサゴの数が減っている⁈
全国に生息しているミサゴですが、実は準絶滅危惧種に指定されていて、数が減っていることが報告されています。
その原因の一つに私たち人間と生活する範囲が重なっていることが挙げられます。
前にも書いたように、ミサゴの巣があるところでは釣りを避けるなど、小さな配慮がミサゴの保護に役立つのです。
10月9日の「ダーウィンが来た!」ではミサゴの特集がありました。アメリカでミサゴのベテラン夫婦の子育てに密着した内容でした。
巣に接近して子育ての様子を詳しくリポートしていました。巣に接近できたのはカメラマンが7年間ミサゴの巣に通いつめ、信頼関係を結べたからです。
この記事でミサゴに興味を持った人はNHKプラスなどで観てくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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