イカとタコはどちらも食卓でおなじみの海の動物です。
イカの刺身、タコの酢の物、スルメにタコ焼き、美味しくて栄養価も高いイカとタコですが、どんな動物なのでしょうか。
イカとタコの似ているところと違いをまとめてみました。
イカとタコの違いを徹底研究 共通の体のつくり
イカもタコも軟体動物の頭足類(とうそくるい)に分類される、海の動物です。
頭足類には恐竜と同じ時代に海にいたアンモナイトや現在も海で暮らすオウムガイがいます。
上から胴体・頭・足(本当は腕です)の順番になっています。だから、食道が脳を通り抜けて口と胃をつなぐという特殊な構造になっています。
太宰府天満宮(学問の神様として有名)の参道には合格祈願のタコのマスコットが売っています。(タコの英語名がオクトパス=置くと合格ということらしい)
タコのマスコットには合格のハチマキが巻いてありますが、あれはお腹に巻いていることになりますね。
イカとタコは無セキツイ動物の中では体重当たりの脳の重さが最大で、とても頭がよい動物と考えられています。(ドイツに占いをするタコがいましたね)
また、イカとタコは大きな目を持っていて、視力もいいのです。
イカとタコの血液には「ヘモシアニン」という銅をふくむ色素が入っているので、血液の色は青色です。これはエビやカニも同じです。
私たちの血液には「ヘモグロビン」という鉄をふくむ色素が入っているので、血液の色は赤色です。
イカとタコの違いを徹底研究 足の数・吸盤・墨の役割
足の数
タコの足は8本、イカの足は10本ということはよく知られています。
私たちが足と呼んでいる部分は実は腕です。確かに獲物を捕まえたり、何かにつかまったりなど、私たちの腕のような役割をしていますね。
イカの10本の足のうち、2本がとても長いことは知っていますか?
あの2本は「触腕(しょくわん)」と言って、吸盤も大きくたくさん付いていて、獲物を捕らえるときに使います。
タコの足は基本は8本ですが、8本ではないタコもいます。(これまで最高96本のタコが見つかっています)
タコは敵におそわれると足を切り離して逃げることがありますが、再生するときに足がよぶんに生えることもあるのです。
タコの足(腕)は筋肉のかたまりです。また、タコの足はとても複雑な動きができるので、神経系のしくみなどが研究されています。
吸盤の役割
イカにもタコにも吸盤がありますが、その作りは違います。
タコの吸盤は中を真空にして相手に吸い付きます。生きているタコに吸い付かれるとあとが残るくらいとっても痛いですよ。
でも、タコは自分と自分以外を区別できるので、自分に吸い付くことはありません。
イカの吸盤にはたくさんのかぎ爪(ギザギザ)がついていて、これで獲物をひっかけて捕らえます。
イカの吸盤は泳ぎながら獲物を捕まえるのに適した構造になっています。
タコの吸盤は吸い付く、イカの吸盤はひっかける役割を持っているんですね。
墨の役割
イカもタコも墨をはきますが、使い方が違います。
タコの墨は敵におそわれた時に煙幕として使われます。墨で煙幕を作ってその間に逃げるのです。
タコの墨は粘り気が少なくて、取り出せる墨の量も少ないので、タコ墨の料理はありません。
タコ墨の料理を作ろうとしたら、たくさんのタコが必要なので、値段がとても高くなるそうです。
一方、イカは敵におそわれると墨をはきますが、はいた墨はかたまりになって海中を漂います。
敵がそのかたまりに気を取られているすきに逃げるのです。分身の術ですね。
イカの墨は粘り気が強く、墨の量も多いので、イカの墨を使った料理はたくさんありますね。
イカ墨の料理はとっても美味しいのですが、歯が真っ黒になるので、食後の歯磨きが欠かせません。
生活の場所
イカとタコは生活の場所や暮らし方も違います。
タコは、群れを作らずに海底の岩場や砂地に住みかを作って暮らしています。
タコの好物は貝で、捕まえてきたら住かで食べて、食べ終わった貝殻は住処の外に捨てます。
イカは群れを作り、住かを持たずに泳ぎながら暮らしています。
イカの泳ぐ速さは時速40キロ、自動車と同じくらい速いです。
群れで泳ぎながらお互いコミュニケーションを取っていて、渡り鳥のようにきれいな隊形で泳いでいます。
イカとタコの違いを徹底研究 まとめ
ここまで、身近なイカとタコの似ているところと違いをまとめてみましたが、どうでしたか?
イカやタコを食べる機会があったら、食べる前に吸盤の様子を観察してみたり、食べるときの食感をくらべてみたりしてください。
イカはタコよりも柔らかくて甘いし、タコはかなり弾力があってうまみが強いです。
イカの「活き造り」を食べる機会がありましたら、刺身を食べる前にイカの足の表面で「色素胞」が収縮しているようすもぜひ観察してください。
何かに興味をもって自分から調べてみようと思うと、グーンと知識も増えて、色々なことが面白くなりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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