ムササビやモモンガには共通点と違いがあります。
どちらも似たイメージがあるのでどう見分けたらいいのかという疑問を持つ人も多いですよね。
ムササビとモモンガの共通点と違い、体の大きさや生息地・生態などについてお知らせします。
ムササビとモモンガの共通点は?
ムササビとモモンガは似たイメージがありますよね。
ムササビとモモンガの共通点を2つ紹介します。
ムササビとモモンガの共通点1つ目は空を飛ぶ(滑空する)ということです。
これには体のつくりや生活場所に大きな関りがあります。
加えて餌を捕るためには空を飛べた方が都合がよいということがあります。
ムササビとモモンガはグライダーのように飛びます。この飛び方を滑空(かっくう)と言います。
滑空は高いところからゆるやかに低いところへと空中を移動することを言います。
ムササビとモモンガのもう1つの共通点は哺乳類のリスの仲間ということです。
哺乳類で滑空するのはムササビとモモンガの仲間だけです。
彼らはなぜ空を飛ぶ能力を獲得したのでしょうか?
ムササビ・モモンガのからだの構造や生活スタイルの違いを見てみましょう。
ムササビ・モモンガの違い ムササビとは?
ムササビは日本だけに住んでいるリス科の中で最大の動物です。
体重は800~1200gあり、尾を入れると全長は約70~80cmもあります。
空を滑空する姿はまさに「空飛ぶ座布団」です。
目が顔の正面についているので、右目と左目の視野が重なり立体視ができます。
だから木から木へ距離を測りながら滑空できるんですね。
滑空するときは身体にある「皮膜(ひまく)」と呼ばれる膜で風を受けて移動します。
この皮膜は首から前あし、前あしと後あし、後あしと尾の間でつながっています。
飛ぶ姿は下から見ると五角形です。
また尾が太く丸い形なのもムササビの特徴です。
滑空する距離は普通数十メートル程度ですが、最大で120mほど飛べるそうです。
住んでいる場所は大木の生えた山林ですが、「社寺林」など人の生活圏に近い環境でも暮らしています。
筆者は茨城県の筑波山のふもとで、野生のムササビに出会いました。
山間のホテルについて、ふと外を見るとムササビが大きな杉の木に滑空しているところでした。
近所の動物園にもムササビがいますが、夜行性なのでいつも巣箱で丸くなった姿しか見たことがありません。
7月10日放送の「ダーウィンが来た!」では、東京都八王子市にある幼稚園の森に暮らすムササビと幼稚園児の交流が放送されました。
ムササビ・モモンガの違い モモンガとは?
モモンガはリス科モモンガ属の動物で、世界中に生息しています。
日本には、ニホンモモンガとエゾモモンガがいます。
このうち、ニホンモモンガは本州・四国・九州に生息していますが、エゾモモンガは北海道にのみ生息しています。
ニホンモモンガはムササビに比べると小さく、体重は180g前後、全長は約30cmと手のひらに乗るサイズです。
夜行性で、樹上で生活していて、皮膜を使って滑空しながら移動するのはムササビと同じです。
皮膜は前あしと後あしの間でのみ発達しています。
空を滑空する姿は「空飛ぶハンカチ」です。
滑空する距離は普段は数十メートルですが、身体の大きさの割にムササビに負けず劣らず最大で100mほど飛んだ記録があります。
モモンガはムササビに比べると人里から離れた山に生息していますが、場所によってはムササビと同じような社寺林にも生息しています。
ムササビとモモンガの違いは?
1.生息場所
生息している場所が、ムササビは山地から人里近くまで広いのに対して、モモンガは山地にだけ生息しています。
ただし、エゾモモンガは平地にも生息しています。
2.体の大きさ
ムササビは大型で1キロを超えるものもいますが、モモンガは200gもありません。
3.目の大きさ
どちらも顔の正面に目がついていて、立体視できます。
モモンガはムササビよりも体に対する目の割合が大きく、ぱっちりした目をしています。
4.しっぽの形
モモンガのしっぽは平ぺったいです。これに対してムササビのしっぽは円錐形で太く、身長と同じくらいの長さがあります。
5.皮膜の形や大きさ
ムササビの皮膜は首から前あし、前あしと後あし、後あしと尾の間でつながっています。
モモンガの皮膜は前あしと後あしの間でのみ発達しています。
滑空する姿はムササビは五角形で座布団の大きさ、モモンガは四角形でハンカチの大きさです。
6.単独で暮らすか、集団で暮らすか
ムササビは基本的に単独で暮らします。
これに対してモモンガは5匹ほどで同じ巣穴に暮らし、集団行動です。
7.寿命
ムササビの寿命は10年、モモンガの寿命は5年程度です。
ムササビやモモンガと人間との関りは?
ムササビもモモンガも夜行性で樹上生活をする哺乳類です。
木の洞(うろ)と呼ばれる空洞やキツツキが開けた穴を広げて巣にします。
木から木へ飛び移り、餌を探したり、フクロウやヘビなどの天敵から逃げます。
餌はムササビは植物食で果実や木の芽、花やつぼみを食べています。
モモンガは雑食で小動物を食べることもあります。
ムササビは最近では数が減ってしまって絶滅危惧種に指定されています。
数が減ってしまった理由は乱獲です。
防寒のための毛皮としてまた、しっぽの毛は筆にするため、多くのムササビが狩られてしまったのです。
ニホンモモンガも絶滅のおそれがあると言われています。
森林の減少・環境の悪化が原因でニホンモモンガの数が減っていて、自治体によって絶滅危惧種に指定されています。
ペットショップに売られている「フクロモモンガ」はカンガルーと同じ有袋類(ゆうたいるい)で、見た目はモモンガに似ていますが、違う動物です。
7月10日の「ダーウィンが来た!」では、幼稚園の森で暮らすムササビとムササビを見守る幼稚園児の交流が描かれていました。
ほほえましい番組内容でしたが、私たちが意識的に野生動物が住む場所を保護しないと共存ができないことを示していると感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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