カワウソといえば、「コツメカワウソ」が動物園や水族館でも人気者です。
コツメカワウソと握手ができる動物園や水族館もあります。
テレビ番組でも、タレントさんがコツメカワウソと一緒に暮らす企画がありました。
その番組を見てコツメカワウソを飼いたい!と思った人もいるかもしれません。
可愛らしい顔やしぐさ。カワウソはどんな動物なのでしょうか。
カワウソはどんな動物?
カワウソ(獺、川獺)は、食肉目イタチ科カワウソ亜科に分類される動物の総称です。
カワウソの仲間は全部で13種で、南極大陸、オーストラリア大陸、ニュージーランドを除く世界全域の水辺や海に暮らしています。
陸上でちょこまか動き回りますが、泳ぐのも得意です。
私が動物園で観たときは、一時もじっとしていないイメージでした。
あしは短くて水かきがあり、細長い胴体を持っていますので、水の抵抗を受けずに泳ぎ回ることができます。
私はカナヅチではありませんが、泳ぐときに無駄に力が入って疲れるので、スイスイ泳ぐカワウソがうらやましいです。
カワウソの仲間には何がいるの?
カワウソの仲間の代表を紹介します。
カワウソの仲間コツメカワウソ
コツメカワウソはカワウソの中で最も体が小さく、体長は約60~90cmです。
手足の爪が小さいので、コツメカワウソと名付けられました。
インドの南部・東部、ネパール、中国南部、フィリピン、マレー半島、スマトラ島など、アジアに広く分布しています。
小さな川や湖の周辺、沼地や湿地帯などで水生生活をしています。
シンガポールの街中にもコツメカワウソの家族が出没してSNSをにぎわせました。
野生のコツメカワウソの数は、密猟や水辺の開発などが原因で激減し、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「危急種(VU)」に指定されています。
さらに2019年にはワシントン条約で国際取引が原則禁止となりました。
カワウソの仲間ユーラシアカワウソ
ユーラシアカワウソはヨーロッパカワウソとも呼ばれます。
ユーラシア大陸、アルジェリア、インドネシアなどに暮らしています。
体長は約80~100cmとコツメカワウソよりも一回り大きいです。
泳ぎが得意なカワウソの仲間の中でも、特に泳ぎが得意です。
ユーラシアカワウソも、乱獲や水質の汚染によって数が大きく減りました。
今ではIUCNのレッドリストで「準絶滅危惧種(NT)」に指定されています。
カワウソの仲間オオカワウソ
オオカワウソはカワウソの仲間で最大です。
体長は約150~170cmで、人間と同じくらいの大きさ!
南米のアマゾン川などに生息しています。
私はテレビ番組でオオカワウソの映像を見ましたが、「可愛い」とは遠く、
群れで狩りをする様子は、まさに「猛獣」という印象でした。
アマゾン川ではワニを食べることもあるそうです。
このオオカワウソも人間による乱獲や生息環境の悪化が原因で、IUCNのレッドリストで「絶滅危惧種(EN)」に指定されています。
カワウソの仲間二ホンカワウソ
二ホンカワウソは北海道から九州まで広く分布していましたが、乱獲や開発で激減。
1979年に目撃されたのを最後に姿を消しました。
2012年に環境省によって絶滅が宣言されました。
カワウソの仲間ラッコ
カワウソが川に進出したイタチの仲間なら、ラッコは海に進出したイタチの仲間です。
ラッコは体長約100~130cmで、北海道の一部、アラスカ、カナダ、ロシアなど冷たい海に分布しています。
冷たい海に暮らしているのに皮下脂肪は少なく、体温を保つためにたくさん食べます。
貝やイカも食べますが大好物はウニです。
水族館でもエンゲル係数の高い動物がラッコです。
お気に入りの石を持っていて、お腹の上で割って食べる様子は皆さんご存じでしょう。
ラッコの毛は全部で8億本、毛の密度は生き物の中で最高。私は水族館でラッコのはく製を触って、毛の密度を実感しました。
だから極寒の海でも体温を保って生活ができるんですね。
ラッコの生活はほとんどが海の上です。食事や睡眠、子育ても海の上で行います。
ラッコも毛皮目的の乱獲により、現在ではIUCNのレッドリストにて「絶滅危惧種(EN)」に指定されています。
コツメカワウソはペットに向かない?
カワウソたちは人間による乱獲、水質汚染、水辺の開発などが原因で絶滅の危機にあります。
中でもコツメカワウソは、「ペットとしての人気」も個体数減少に深く関わっています。
悲しいことに日本はペット需要からコツメカワウソの最大密輸国なのです。
コツメカワウソは飼育が非常に難しく、カワウソの生活に必要な環境を一般の家庭でそろえることは難しいでしょう。
また、病気になったときに対応してくれる獣医師も少ないです。
日本はワシントン条約に加盟していますから、コツメカワウソの商業取引は原則禁止です。
個人間の無償譲渡であっても、コツメカワウソをペットとして譲り渡すことは原則できません。
飼うのが難しいから、病気になったから、と捨てられたコツメカワウソも少なくないと聞いています。
先日ペットのコツメカワウソをインスタに挙げてフォロワー数が何万人もいる人が、実はコツメカワウソを虐待しているというショックなニュースが流れました。
懐かない、噛みつくなどが虐待の理由だったようです。悲しいことです。
昭和の頃に「あらいぐまラスカル」というアニメがヒットして、ペットとしてアライグマがアメリカから輸入されました。
アライグマは見た目は可愛らしいですが猛獣で日本の一般家庭でペットとして飼える動物ではありませんでした。
その結果、手に負えないアライグマを捨て、野生化したアライグマが現在は「特定外来生物」に指定されています。
このような過ちを繰り返してはいけないと私は強く思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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