冬も本番に入りました。寒くなると美味しくなるのがお魚です。
白身の魚の代表であるヒラメとカレイ、どちらも平ぺったい形をした魚です。
このヒラメとカレイはなぜ平ぺったいのでしょうか?ヒラメとカレイの違いは何でしょうか?
食卓でおなじみの白身の魚の違いを紹介します。
ヒラメとカレイはなぜ似てる?分類や生息域は?
ヒラメはカレイ目ヒラメ科及びコゲヒラメ科の一部を含む魚の仲間です。
ヒラメの大きさは5cmから80cmまで幅広く、最大のヒラメは体重10kgになる場合もあります。
赤道から南北の温帯と熱帯に生息していて、沿岸の潮溜まりなど浅いところから水深1000mの深海まで生息しています。
種類はカレイに比べると少ないのですが、大きさも生息域も幅広い感じですね。
カレイはカレイ目カレイ科とカワガレイ科およびベロガレイ科の魚の仲間です。
ヒラメに比べると種類が多く、日本近海で40種が生息しています。
カレイの大きさは種によって違いますが、最大の種であるオヒョウは体長2m以上体重200kg越えのものもいるそうです。
カレイ科は寒帯などの寒い地方に多く、カワガレイ科とベロガレイ科は温帯から亜熱帯域の比較的暖かい地域に生息しています。
ヒラメとカレイはなぜ似てる?からだが平ぺったい理由と祖先は?
ヒラメを漢字で書くと鮃、カレイを漢字で書くと鰈です。
どちらも平ぺったい体をしていて、目が片方に寄っています。
セキツイ動物では唯一左右非対称な体をしていて「異体類」と呼ばれています。
実はカレイもヒラメも、生まれてから約2週間までは、普通の魚と同じように体の両側に目があります。
その後、徐々に目は移動しはじめ、全長2cmくらいになる頃には、完全に片側に寄るのです。
この特殊な体の形はヒラメとカレイの暮らし方やエサの取り方に理由があります。
どちらも海底にひそみやすいように体は平ぺったく、獲物や敵をキャッチしやすいように目が片側に寄っているのです。
ヒラメもカレイもカレイ目という大きなグループに属しているので、海底に潜んで獲物を捕まえる戦略を選んだ共通の祖先から進化してきました。
ヒラメとカレイはなぜ似てる?見分け方やおいしい料理法
目のつき方
ヒラメとカレイの見分け方については昔から「左ヒラメに右カレイ」と言われ、腹側を下に置いたときに「左を向いているのがヒラメ」「右を向いているのがカレイ」と見分けることができます。
しかし例外もあって日本近海に棲むヌマガレイという種類はカレイなのに左側に目がついています。
このヌマガレイは地域によって目のつき方が変わり、東に行くほど右側に目がつきます。
アカシタビラメは名前はヒラメで左側に目がついていますが、カレイ目ウシノシタ科に属するカレイの仲間です。
私の母はシタビラメを「クツゾコ」(靴の底の意味)と呼び、よく煮つけにしていましたっけ。
エサの取り方と口の形
ヒラメとカレイはエサの種類や取り方に大きな違いがあり、口の形も違います。
ヒラメとカレイの見分けは、目のつき方よりも口の形のほうが確実かもしれません。
ヒラメはカレイよりも口が大きいことが特徴で、鋭い歯を持っています。
これは主にイワシ・アジなどの小魚をエサにするためです。
海底にひそんで獲物を待ち伏せし、獲物が来ると飛びかかって鋭い歯でとらえます。
だから、ヒラメの筋肉は瞬発力があり、性格は攻撃的です。
一方カレイの口はおちょぼ口で、歯も発達していません。目のない海底側の面で口が発達しています。
これはカレイが海底をゆっくり移動しながらの砂の中のゴカイや甲殻類といった小さなものを食べているからです。
だから、カレイの身は柔らかく、性格はおっとりしています。
おいしい料理法
ここまで読んでいただくと、これまで平ぺったい魚でひとまとめだったヒラメとカレイがかなり違っていることが分かっていただけたと思います。
だから、ヒラメとカレイを美味しくいただくのに適した料理法も違います。
ヒラメのほうが漁獲量が少ないので高級魚として扱われ、値段も高いです。
ヒラメの旬は冬から早春で、刺身・すし・フライ・煮つけなどで食されます。
ヒラメは小魚に飛びかかって捉えるので、身が引き締まっていて、刺身やすしなどの生食に向いています。
カレイの旬は種類で異なっていて、煮つけ・干物・練り物などいろいろな料理法で食されます。
カレイは、主に小さな甲殻類やゴカイなどを食べ、あまり動く必要がないため、その身はふっくらとやわらかく脂がのっているので、煮つけやフライに向いています。
加熱調理が多いカレイですが、旬の大分県の城下カレイのお刺身は絶品ですよ。ぜひお試しください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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