1月の誕生花である水仙、可憐な姿と清々しい香りの花です。
花の少ない寒い冬に花を咲かせ、私たちの心を和ませてくれます。
そんな水仙に毒があることを知っていますか?水仙による食中毒の報告はとても多いです。
庭に水仙を植えている方も多いと思います。
水仙を栽培するうえで気をつけることを書いていきたいと思います。
水仙は栽培が簡単な植物?
水仙はヒガンバナ科スイセン属で、地中海沿岸地域原産の植物です。
イベリア半島からヨーロッパ中部、北アフリカを含む地中海沿岸地域に25~30種が自生しています。
水仙が日本に渡ってきたのは、平安・鎌倉時代より古い時代と考えられていますが、人が貿易で運んだのではなく球根が海流に乗って漂着したという説があります。
11月から4月にかけて花を咲かせ、夏は枯れて休眠状態になります。
一度球根を植えておくと、あまり手入れをしなくても、毎年秋には葉や茎をのばして花が咲くので、初心者にも栽培しやすい植物です。
秋も後半になるとあちこちの家の玄関先や公園や学校の花壇で水仙を見かけるようになりますね。
水仙の花は、外側の6枚の花弁と、内側のラッパ状の副冠からなっています。
色は白色・黄色・オレンジ色など多彩で、副冠の形もさまざまに変化しておもしろいものがあります。
一般的なものは日本水仙(ニホンズイセン)で、正月用やいけばな用に重宝されています。
水仙の花言葉が「うぬぼれ」なのはなぜ?
水仙の学名はNarcissus(ナルキッソス)です。これはギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来しています。
美少年ナルキッソスは池に映る自分の姿に恋をしてしまいます。毎日池に映る自分の姿にうっとり、とうとう水面の自分に抱き着こうとして池に落ちて死んでしまいます。
この話は「ナルシスト」の語源にもなっています。
水仙の花は下を向いていてその姿が池をのぞき込むナルキッソスのようであることから水仙の学名はNarcissus(ナルキッソス)になりました。
また、この神話から水仙の花言葉は「うぬぼれ」や「自己愛」になっているのです。
水仙には毒があるって本当?
水仙はヒガンバナ科の球根植物です。
ヒガンバナの根に毒があることは有名です。田んぼの畔にヒガンバナがたくさん咲くのは、根っこの毒でネズミやモグラが田んぼに侵入しないようにしているのです。
ルーツが同じなので、水仙には、アルカロイド類の成分が含まれており、口にすると強い中毒症状が出ます。
中毒症状は悪心、嘔吐、発汗、頭痛、昏睡状態、低体温小、嘔吐などで、食べてから30分以内に発症します。
ただし、中毒症状は水仙を誤って食べたときにおこるもので、触れる分には心配ありません。
水仙をニラやタマネギと間違えると食中毒⁉
水仙の葉はニラに似ています。花が咲いているときに間違える人は少ないと思いますが、葉だけが出ているときは要注意です。
水仙の葉はニラと比べると厚みがあり、ニラの葉はちぎるとニラ独特の香りが強くしますが、水仙の葉には強い香りはありません。
球根はタマネギと見た目が似ています。球根を掘り上げて保管しているときにはきちんとラベルを付けて、タマネギと間違えないようにしてください。
怪しいと思ったら匂いを嗅いでください。水仙の球根はタマネギのような匂いはしません。
また、水仙の球根は野草のノビルにもよく似ています。
ノビルの球根は丸くてネギのような匂いがしますが、水仙の球根はフラスコのような形でネギのような匂いはしません。
水仙を植えるときに注意すること
初心者でも栽培が簡単な水仙、花の少ない時期に私たちの目を楽しませてくれます。
けれど、葉や球根はニラやタマネギ、ノビルに似ています。
植えるときや球根を保管するときはきちんとラベリングをして、野菜を育てる畑には植えないことが肝心です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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