みなさんはアオアシカツオドリをご存じですか?名前の通り、足が鮮やかの青色のカツオドリです。
カツオドリは日本にもいます。7月3日の「ダーウィンが来た!」でも、西ノ島で繁殖するカツオドリが紹介されました。
アオアシカツオドリではエクアドルのガラパゴス諸島にしか生息しない大変珍しい鳥でかわいらしいダンスを踊ります。
今回はアオアシカツオドリについて紹介します。
アオアシカツオドリってどんな鳥?足が青い理由は?
アオアシカツオドリはエクアドルのガラパゴス諸島にいる、絶滅が心配されているカツオドリの仲間です。
名前の通り青い足をしていますが、足が青くなるのは餌の色素のためです。
足の青さが鮮やかなオスほどしっかり餌を捕ることができる優秀なオスである証明になり、メスにモテます。
カツオドリは日本の海でも見ることができます。小笠原諸島周辺が有名スポットです。
カツオの群れの周りに飛んでいるので、昔漁師さんがカツオの群れを探す目安にしたところから「カツオドリ」と呼ばれるようになりました。
CHUMS(チャムス)のロゴマークはカモメやペンギンではなくカツオドリですよ。
ガラパゴス諸島にはアオアシカツオドリの他にアカアシカツオドリ(体が一回り小さく足が赤い)やナスカカツオドリ(体が一回り大きく足は茶色)がいます。
島によってどのカツオドリが多いかは異なるようです。
アオアシカツオドリの可愛いダンスは求愛行動⁈
繁殖期にはオスがメスに向かって足を上げながらゆっくりと回る求愛ダンスを行います。
青い足をメスに見せているわけですね。「ぼくの足青いでしょ!素敵でしょ!」ってね。
最後は尾羽を立て羽を広げてアピール!(スカイポインティングといいます)
メスがこのオスを気に入ったらメスも同じようにダンスをします。
私はガラパゴス諸島でこのダンスを見ました。けっこうゆっくり踊りますし、スカイポインティングの時に鳴き声をあげます。かわいかったです。
ダンスは大変かわいらしいのですが、オスが一生懸命に踊ってもメスに振られることはしょっちゅうです。
自然界は厳しいのです。
めでたくカップルが成立すると一度に産卵する卵は1~3個、オスとメスで40日間交代で抱卵、ヒナが孵化するとオスとメスで交代で餌を与えて育てます。
巣は作らずに地面に直接産卵しヒナを育てます。
卵の周りには白い環が見られますが、これはフンを飛ばしたもので、白い結晶は尿酸です。
鳥は空を飛びますし、恒温動物ですのでエネルギー消費量が多く実は大食漢です。
飛ぶために体を軽くしていますから、体重当たりの餌の量はギャル曽根も真っ青の量です。
したがってヒナに餌を与えるのは大変なこと、オスとメスで協力しないとヒナが育ちません。
ワンオペ育児はアオアシカツオドリの世界にはありません。
餌が少ない年は育たないヒナも多く、私も見学中ヒナの死体をたくさん見ました。
ガラパゴス諸島にはアフリカのジャッカルやハゲワシのようなスカベンジャー(掃除屋)がいないので、動物たちの死体や骨があちこちにあります。
人間中心の街の生活では感じられない、自然の中で生きる抜くことの厳しさを感じられる魅力がガラパゴス諸島にはあります。
アオアシカツオドリの狩りのスタイルとは?
陸上ではよちよち歩きとひょうきんなダンスで癒し系のアオアシカツオドリですが、海に出ると優秀なハンターに様変わりします。
上空から海中の魚めがけて集団でダイブ、羽を折りたたんで急降下する様子はまるで弾丸が降ってきたかのような勢いです。
ちょっと入水角度を間違えれば首の骨を折って死んでしまいます。
ダイブを繰り返すことで首の骨が劣化して折れて死ぬこともあります。
けれど、ダイブしなければ飢えて死んでしまいます。
せっかく捕った魚を空中でグンカンドリに奪われてしまうこともあります。
自然界は厳しいのです。
筆者はアオアシカツオドリの集団のダイブは見られませんでしたが、「所さんの目がテン」で桝太一さん(当時は日本テレビアナウンサー)がガラパゴス諸島を取材した映像では集団ダイブがありました。
桝さんが乗っている船の周りに次々とアオアシカツオドリがダイブする様子はとても迫力がありました。
アオアシカツオドリに会える動物園はあるの?
アオアシカツオドリは動物園にはいません。
彼らの狩りのスタイルから言って人工的な環境で飼育するのは不可能です。
アオアシカツオドリに会いたければ、ガラパゴス諸島に行くしかありません。
日本から片道3日は覚悟してください。
すぐに会いに行くことが厳しければ、会いに行けるときまでアオアシカツオドリが絶滅しないように協力しましょう。
アオアシカツオドリについてまとめ
アオアシカツオドリは、鮮やかな青色の足をもつ珍しいカツオドリの仲間です。
世界でもガラパゴス諸島にしかいません。
可愛い求愛ダンスや一生懸命子育てする様子がガラパゴス諸島では見られます。
ガラパゴス諸島でも人間が出すごみの問題などの環境問題が多く存在しています。
遠く離れた日本で、アオアシカツオドリが絶滅することなく、生の営みを続けられるように協力するには、身近な環境の保全に関心を持ってください。
自分ができること、続けられることに取り組んで欲しいと思います。
毎日の生活で出るごみを減らす、資源を大切に使うといったささやかな取り組みもアオアシカツオドリの生存に役立つのです。
生態系では生き物どうしは複雑につながっていますし、日本の海はガラパゴス諸島の海につながっているのですから。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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