ガラパゴスゾウガメをご存じですか?
名前の通り南米エクアドルのガラパゴス諸島にいるゾウガメです。
日本では東京の上野動物園と静岡のiZOOで飼育されています。
ガラパゴスゾウガメは絶滅の危機に瀕していると言われていますが、本当でしょうか?
ガラパゴスゾウガメは絶滅していない⁈
ガラパゴスゾウガメとはエクアドルの沖合1000キロメートルにあるガラパゴス諸島に固有のゾウガメです。
ガラパゴとはスペイン語でゾウガメという意味です。
したがって、ゾウガメはガラパゴス諸島を代表する動物だと言えます。
ガラパゴスゾウガメは島ごとに環境に合わせて甲羅の形が異なり、独自の進化をしています。
ところで、日本の「ガラケー」はガラパゴス携帯の略で、ガラパゴス諸島から来た名称だと知っていますか?
日本で携帯電話にあれこれ便利な機能をつけた結果(独自に進化して?)海外の機種と互換性がなくなってしまったことから「ガラパゴス携帯」と呼ばれています。
ゾウガメは11の島に15の亜種(かなり似ているけど同種とは言えない)が存在していましたが、すでに5種が絶滅しています。
ピンタ島のロンサム・ジョージの話は有名なので、ご存じの人も多いのではないでしょうか。
ピンタ島ではゾウガメが絶滅したと考えられていましたが、1971年に1匹のオスが見つかり、「ロンサム・ジョージ」と名付けられました。
近縁のメスとのカップリングも試みられましたがうまくいかず、2012年に推定100歳で永眠しました。
絶滅の原因に人間が関わっていることは読者の皆さんにも想像できるのではないでしょうか。
食料としての乱獲や人間が持ち込んだ家畜によって生息地が狭まり、生息数が減り絶滅の渦に巻き込まれました。
ガラパゴスゾウガメはどこからやってきて、どんな暮らしをしているのでしょうか?
ガラパゴスゾウガメの特徴は?
ガラパゴスゾウガメは200~300万年前に南米大陸から流れ着いたリクガメが祖先から進化したものであると考えられています。
1000キロもの距離を倒木などに乗って流れ着いたのでしょうか?その間の水や食料はどうしたのでしょう?
実は彼らは1年くらい飲まず食わずでも生きることができます。
だから陸生の動物なのに海をはるばる渡ることが可能だったわけです。
その昔、ガラパゴス諸島は船乗りにとっても水や食料を補給する中継地でもありました。
1年飲まず食わずで生きられるゾウガメは船乗りの食料としても最適で(生きていれば腐りません)乱獲されたことも絶滅の原因の一つです。
ガラパゴスゾウガメの繁殖は3月から4月にかけて、1匹のメスが20個くらいの卵を産みます。
肉食の大型哺乳類(人類を除く)がいないガラパゴス諸島ですが、孵化した子亀はノスリ(猛禽類)やヘビの格好の餌になります。
ゾウガメの餌はサボテンや草、木の実など植物全般で、彼らは代謝がゆっくりで、脂肪を代謝して生じる水を利用することができます。
皮膚についたノミやダニをフィンチやマネシツグミなどの鳥に掃除してもらうために鳥が来ると四肢を広げてじっとしているそうです。
想像すると癒されますね。
ちっちゃな顔にまん丸な鼻の孔、歯がなくて鳥のくちばしのような口、恐竜のようなごつい脚、ギャップの大きさも魅力です。
ガラパゴスゾウガメの種類や甲羅の違いは?
現在生存しているガラパゴスゾウガメは10亜種ですが、甲羅の形がそれぞれ異なります。
大きく「ドーム型」と「鞍型」に分けられます。
甲羅の形はそれぞれの島で得られる餌によって異なります。
ガラパゴス諸島は今から1000万年前に現れた若い火山島です。
大陸と繋がったことがないので、生息する動植物は大陸から流れ着いたか飛んできたか、どちらかです。
したがって溶岩台地が広がる痩せた土壌にそれに適応した数少ない植物が生え、その植物を餌とする動物が暮らす極めて厳しい環境条件です。
筆者も一度ガラパゴス諸島に行きましたが、真っ黒いごつごつした溶岩が転がっていて「荒涼とした」という表現がぴったりくる場所でした。
島に生える植物の草丈が低い島ではゾウガメの甲羅は「ドーム型」になり、草丈が高い島では首が上まで伸ばせるように「鞍型」になります。
生物は厳しい環境の下で、生き残って子孫を残すために環境に適応して進化する。
その事実をガラパゴス諸島で目の当たりにすることができます。
ガラパゴスゾウガメの生息地、どこで見られる?
ガラパゴス諸島は世界自然遺産第1号です。
一時危険遺産となり世界自然遺産から外されそうになりましたが、エクアドル政府やチャールズ・ダーウィン研究所など多くの人の努力で持ち直しています。
現在ビジターが上陸できる場所は1%程度に限られていますから、野生のゾウガメに会うことは大変難しいでしょう。
サンタ・クルス島のチャールズ・ダーウィン研究所やサン・クリストバル島のガラパゲーラなどの保護施設でゾウガメに会うことができます。
これらの施設では繁殖したゾウガメを育てて島に返す活動をしています。
ゾウガメの甲羅には番号が記されて厳しく管理されていますが、それでもゾウガメの盗難が起こるそうです。
希少な動物を自分のものにしたい、あるいは金儲けの道具にしたいと考える人間がこの世に存在するという事実は情けないものだと思いませんか?
サンタ・クルス島のエル・チャトでは運がよければ農場にやってくる野生のゾウガメに会えるかもしれません。
写真を撮ることもできますが、くれぐれも2メートル以上離れてくださいね。
コメント
我が家でも子供がカメを飼っています。
ガラパゴスゾウガメではないのですが。
どこから来たのかなあ?
リクガメはペットとして人気があり、たくさんの種類があります。あののんびりした動きには癒されますね。