みなさんは「ハチクマ」を知っていますか?クマの仲間ではありませんよ。
ハチクマはタカの仲間の渡り鳥です。春に南から日本にやってきて、北海道や本州で夏を過ごし、秋にまた南の島へと海を渡っていきます。
9月から10月は日本各所で「ハチクマの渡り」が観察されます。私の住む福岡でも北九州市の皿倉山や福岡市の油山が観測スポットとして有名です。
ハチクマのことを知って、遠く旅をする渡り鳥を眺めてみませんか?
ハチクマの渡りの季節がやってきた!ハチクマとは?
ハチクマは翼を広げた長さが130センチメートルにもなる大型のタカの仲間です。
ハチの巣や幼虫を食べるので「ハチ」、クマタカに似ているから「タカ」で合わせて「ハチクマ」というのが名前の由来です。
飛んでいるときに翼から出ている頭の長さが他のタカ類よりも長く、尾の先は丸い形をしています。
羽毛の色は差が大きく、背中側は暗い褐色、お腹側は薄いか色から黒までいろいろです。
オスの瞳は黒く、メスの瞳は黄色いので目の色でオスとメスの区別ができます。
あしは他の猛禽類よりも大きく、これはハチの巣を掘り出して食べるからだと考えられています。
ハチクマの顔にはウロコのような硬い羽毛の下に小さな羽毛が重なってびっしりと生えていて、蜂の毒針が体に届かないようになっています。
ハチクマは5月ごろ日本にやってきて、9月になると秋の渡りで南に帰ります。
この短い期間に子育てを終わらなければなりませんので、スケジュールに余裕がありません。
だから栄養価の高いジバチ類の巣やスズメバチ類の巣を掘りだしてハチの幼虫をヒナに与えて、ヒナの成長スピードを上げているのだろうと考えられています。
ハチクマがハチの巣を襲っている動画を何度も観ましたが、スズメバチが周りを取り囲んで巣を守ろうと攻撃します。
群がるハチをものともせず、ハチの巣をバリバリかじるハチクマの様子は迫力がありますよ。
なぜ平気なんだろう、ハチに刺されないのかな?と不思議に思いますが、若いハチクマは頭の羽毛が丈夫ではないのでハチに刺されて痛い思いをすることもあるらしいです。
ジバチ類の幼虫やスズメバチ類の幼虫は「蜂の子」という名前で、昔から滋養強壮効果のある食べ物として知られています。
ハチクマのヒナは「蜂の子」で育つんですね。「蜂の子」の他にもカエルも食べるそうです。
ハチクマの渡りの季節がやってきた!ハチクマの渡りを観察してみよう?
9月も後半に入り、ハチクマが南に渡る季節になりました。
ハチクマの秋の渡りは、サシバの群れと一緒に海を渡ることが多いのですが、サシバのように渡りのルートは解明されていません。
でも、ネットで調べると、日本各地でハチクマの渡りを観察した人が動画やデータを掲載しています。
これらのデータが集まって、渡りのルートも解明されて行くでしょうね。
タカの群れが上昇気流に乗って輪を描きながら高い空を飛ぶ姿は感動ものです。(これをタカ柱といいます)
ハチクマなどの鳥が悠々と飛ぶ姿を見て、人間は自分も空を飛びたいと色々な技術を開発してきたんですね。
あなたの住む場所で、観察ポイントがあるかや観察会が行われていないか調べてみてください。
ちなみに、私は先日ハチクマの渡りの観察会に参加する予定でしたが、あいにくの台風襲来で中止になりました。
しかし、今日植物観察会の下見に皿倉山に行ったところ、頭上を一羽のハチクマが悠々と飛んでいく姿を見ることができました。
その姿に目が釘付けになり、写真を撮るのを忘れてしまいました。(汗)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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