コウテイペンギンは世界最大のペンギンの仲間です。ヒナがとても可愛く癒し系なので、ぬいぐるみやマスコットも人気があります。
このコウテイペンギンは過酷な子育てでも知られていて、映画にもなっています。
ここではコウテイペンギンの子育てとコウテイペンギンと似ているオウサマペンギンとの違いと見分け方について書きたいと思います。
コウテイペンギンの過酷な子育て、コウテイペンギンとは?
コウテイペンギン(英名 エンペラーペンギン)は体長100センチから130センチの最大のペンギンです。
南極大陸と大陸沿岸の島々で繁殖し、繁殖地は海から100キロメートルも離れた内陸地で、真冬には氷点下60℃になる厳寒地です。
からだつきはどっしりしていて足が大きく、足やからだの大きさに対して頭は小さく、くちばしも短めです。これは厳寒地に適応しているからです。
成鳥の背中側の羽毛は黒色、お腹側は白色で顔から胸にかけて山吹色です。ヒナは全身灰色の羽毛に覆われていて、頭は白と黒のツートンカラーでとても目立ちます。
コウテイペンギンの過酷な子育て、なぜ厳寒地で子育て?
コウテイペンギンは真冬には氷点下60℃になる厳寒地で子育てをします。しかもエサが取れる海からは100キロメートル以上離れています。
なぜ、あえて過酷な子育てを行うのでしょうか?
コウテイペンギンの天敵はアザラシです。ヒナが天敵に襲われないように、また、暖かくなって氷が解けたときにヒナが海に落ちることがないように内陸部で子育てするようです。
その代わり寒さ対策やエサ取りは大変です。コウテイペンギンは一年に1個卵を産みますが、メスは卵を産むと産卵で失ったエネルギーを取り戻すために海にエサ取りに出かけます。
卵を温めるのはオスの仕事、オスは足の甲に卵を載せ、お腹の抱卵嚢(ほうらんのう)という暖かい羽毛で卵を包み、かかとだけで立って卵を温め続けます。
ブリザードが吹き荒れるときは群れのみんなで集まって暖め合います。ときどき外側と内側で場所を交代する律儀な面も見られます。
オスはメスが戻ってくるまでの間、飲まず食わずで卵を温め続けます。ヒナが生まれてもメスが帰ってこないときは体内の脂肪を使って「ペンギンミルク」という液体を作り、ヒナに与えます。
およそ4か月間の絶食の後、メスが帰ってくるとオスは100キロメートル以上の旅をして海にエサを取りに行きます。
そこまで過酷な子育てをしなくてもと思いますが、長い年月で進化した結果の子育てなんですね。
ヒナが十分大きくなると、両親はともに海にエサを取りに行き、その間ヒナは保育園のような集団で生活をします。
コウテイペンギンの過酷な子育て、オウサマペンギンとの違いは?
コウテイペンギン(エンペラーペンギン)とオウサマペンギン(キングペンギン)はとても似ています。どうやって見分けたらよいのでしょうか?
大きさの違い
オウサマペンギンは体長90センチとコウテイペンギンよりもひと回り小さいです。それでもペンギンの平均体長は60センチですから、ずば抜けて大きいペンギンですね。
羽毛の色の違い
オウサマペンギンの羽毛の色はコウテイペンギンに比べて鮮やかです。顔から胸にかけて濃いオレンジ色で顔のオレンジ色の部分を黒い羽毛が囲んでいるのが特徴です。
また、オウサマペンギンの背中の羽毛はコウテイペンギンよりも銀色がかっています。
ヒナの違い
コウテイペンギンとオウサマペンギンの成鳥はよく似ていますが、ヒナは全く違います。
ぬいぐるみにもなる可愛らしく癒し系のコウテイペンギンのヒナに比べて、オウサマペンギンのヒナは全身褐色で、育つと親鳥よりも大きくなります。
生息地の違い
コウテイペンギンの生息地は、南極大陸の沿岸部で南半球が主な生息地であるペンギンの中でも、一番最南端に生息しているペンギンとして知られています。
キングペンギンは南極よりも温暖なフォークランド諸島やサウスジョージア島などの亜南極地域の島々を生活の拠点としており、南米のパタゴニアなどでも見ることができます。
南極よりも温暖と言っても冬には氷点下40℃の厳寒地であることに変わりありません。
私たち一般人がコウテイペンギンの生息地を訪れることは難しいでしょうね。
コウテイペンギンの過酷な子育て、コウテイペンギンやオウサマペンギンに会える動物園は?
コウテイペンギンを飼育しているのは和歌山県のアドベンチャーワールドと愛知県の名古屋港水族館の2つの施設だけです。
オウサマペンギンを飼育している施設は全国に20以上あり、北海道の旭山動物園のオウサマペンギンの散歩は有名ですね。
和歌山県のアドベンチャーワールドではオウサマペンギンも飼育していて、両方を比べるならアドベンチャーワールドですね。
今回はコウテイペンギンの子育てとオウサマペンギンとの違いを書きました。少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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