岐阜県と長野県にまたがる日本百名山のひとつ「乗鞍岳」、北アルプスに含まれる雄大で美しい山です。また、標高2702mまでバスで上がることができるので、最も手軽に3000m越えの登山ができることでも知られています。高山植物の観察も楽しめる「乗鞍岳」の魅力をお伝えします。
乗鞍岳とはどんな山?
乗鞍岳は、最高峰の剣ヶ峰(3026m)を始め、朝日岳、恵比寿岳、摩利支天岳、富士見岳など23の峰と7つの湖、8つの平原からなる山の総称です。
初心者や上級者まで楽しめる登山コースのほかお花畑を散策したり、ご来光や星見など、自然の楽しみ方がたくさんあるので、小さな子供からお年寄りまで家族みんなで楽しむことができます。
乗鞍岳はマイカー規制がありますので、専用駐車場からシャトルバスに乗り換える必要があります。シャトルバスの終点は畳平で標高2702m、富士山の5合目よりも高い、日本一標高が高いバス停です。
畳平には銀嶺荘という旅館スタイルの宿泊施設があり、ここに宿泊してご来光や星見を楽しむことができます。ご来光バスも運行されています。
乗鞍岳のお花畑見頃は?どんな高山植物が見られるの?
畳平バス停の南側には高山植物のお花畑があります。
お花畑とは、高山にだけ生息する高山植物が夏の限られた季節にいっせいに花を咲かせて、次の世代に命をつなぐことからこのように呼ばれます。
乗鞍岳のお花畑には1周30分から40分程の木道が整備されていて、とても観察しやすくなっています。6月の初旬から咲き始め、7月上旬~8月中旬にかけてクロユリやミヤマキンポウゲなどの高山植物の群生が見られます。
乗鞍岳では高山植物だけでなく、特別天然記念物の二ホンライチョウに会えるかもしれません。
クロユリ
クロユリは、亜高山帯~高山帯の草地に生える高さ10~30cmの球根植物です。6~8月に、茎の先に1~2個の暗紫褐色で長さ約3cmの花を斜め下向きにつけます。
ミヤマキンポウゲ
7月から8月にかけて、黄色でつやのある花を咲かせます。葉は鳥の足のように切れ込みが入っています。
チングルマ
6月から7月にかけて白い花を咲かせ、花が終わるとピンク色の羽毛上の果実が可愛らしい高山植物の代表です。草に見えますが、落葉小低木です。
ウサギギク
いかにもキクらしい黄色の花を咲かせます。花びらの先が二つに分かれていて、ウサギの耳のようです。
コマクサ
高山植物の女王、ピンク色の花の形が馬の顔に似ていることからコマクサと名付けられました。お花畑よりも砂礫地に群生しています。
ヨツバシオガマ
7月から8月にかけて赤紫色の花を咲かせます。花の咲きはくちばし状にとがっています。
乗鞍岳は登山初心者にもおススメ
乗鞍岳は標高2702mの畳平までシャトルバスで登ることができます。畳平からたくさんのトレッキングや登山コースが整備されていて、自分の体力に合わせて選ぶことができます。
魔王岳 レベル1
山頂まで15分で到達する魔王岳は山頂まで階段が整備されていて、小さな子供やお年寄りでも登頂の達成感を味わうことができます。
山頂から北アルプスが見えますよ。
大黒岳 レベル2
大黒岳は登頂まで約20分と、魔王岳に次ぐ手頃な山です。
登山道の両脇にはコマクサの群生が見られ、登山の疲れを癒してくれます。
山頂からは北、中央、南アルプスが一望でき、ご来光スポットとしても人気です。
富士見岳 レベル2.5
富士見岳は畳平バスターミナルから山頂まで約25分(標高2,817m)です。
山頂からは穂高連峰のほか、畳平バスターミナル周辺の鶴ヶ池やお花畑を一望できます。
剣ヶ峰 レベル3.5
剣ヶ峰は乗鞍岳の主峰で、日本百名山のひとつ(標高3026m)です。
山頂からは槍ヶ岳や穂高岳などの北アルプス連峰が一望できるほか、東側には八ヶ岳、南東側には南アルプスと中央アルプスが望めます。
快晴時には、富士山(山頂部分のみ)まで見えますよ。
登山道には鎖場や梯子などはありませんが、大きな石がゴロゴロしていたり気を付けないと事故につながる場所があります。
剣ヶ峰に登るときには必ず登山届を提出してください。
乗鞍岳は手頃な山と言っても体調や服装・装備などは、登山仕様で決して注意を怠らないようにして下さい。また、標高が高く空気が薄いので高山病にも注意が必要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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