春先になると田んぼがピンク色に色づきます。そう、「レンゲ」の花が咲いているのです。
この「レンゲ」は農家さんが田植え前の田んぼにわざわざ植えているものです。
ではなぜ「レンゲ」を植えているのでしょうか?
レンゲは何のために植えてある?緑肥とは?
レンゲはマメ科植物です。マメ科植物の根には根粒菌というバクテリアが共生します。
根粒菌は空気中の窒素を植物が利用しやすいアンモニウムイオンに変える窒素固定という離れわざができます。
レンゲを植えると根粒菌がアンモニウムイオンを作る、そしてレンゲごと土を耕すことで田んぼの土に天然の窒素肥料が供給されるというわけです。
だからレンゲのことを緑の肥料で緑肥とも言います。
公園やグランドなどにクローバー(シロツメクサ)が生えていますよね。掘り返して根っこを観察してみてください。
根っこに粒々が付いていることがあります。根粒菌のおうちです。クローバーもマメ科植物なので根粒菌が共生します。(100%ではありません)レンゲは何のために植えてある?窒素肥料はなぜ必要か?
植物は光合成によって二酸化炭素と水からデンプンなどの炭水化物を作ります。小学校の理科でも勉強しますね。
植物は生きていくのに必要な物質は自分で合成することができます。必要な物質(有機物)はデンプンのような炭水化物のほかにタンパク質やDNAがあり、これらは窒素を含んでいます。
植物は根から水と一緒に土の中に含まれる微量なアンモニウムイオンや硝酸イオンを取り込んでタンパク質やDNAを合成しています。
だから農作物を育てるときには窒素などを含む肥料を与えるわけです。その窒素肥料をレンゲを植えることで根粒菌に空気中の窒素を材料に作ってもらうわけですね。
緑肥は化学反応式や窒素同化のしくみなどが分かる前から利用されていた知恵なんです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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