シジュウカラ(四十雀)はとても身近な野鳥です。住宅地、公園、森林どこでも見かけます。
スズメくらいの大きさで胸の黒ネクタイが特徴です。
「ツピーツピー」という鳴き声が特徴ですが、最近の研究でこのシジュウカラの鳴き声には意味があり、ちゃんと文法もあることが分かってきました。
シジュウカラの鳴き声には意味がある?シジュウカラの特徴
シジュウカラはスズメ目シジュウカラ科の留鳥(スズメやカラスと同じくいつもいる鳥の意味)です。
全長15センチ、翼を広げると22センチでオスとメスは同色ですが、胸の黒ネクタイ模様はオスのほうが太いです。
全国の低地から山地の林などに幅広く生息し、街中でも樹木がある場所で見られます。
繁殖期はつがいでなわばりを持ちますが、他の時期には群れで暮らすことが多く、同じカラ類の「コガラ」「ヒガラ」「ヤマガラ」と一緒に群れ(混群といいます)ていることも多いです。
おもなエサはガの幼虫やアリなどの昆虫、木の実ですが、秋冬には地上に落ちている趣旨を探す姿も見られます。
シジュウカラは見つけることは簡単ですが、木の枝から枝へ飛び回ってじっとしていないので、じっくり観察して写真を撮るのは一苦労です。
シジュウカラの鳴き声には意味がある?鳴き声の研究の紹介
鳥の鳴き声には繁殖期に異性にアピールするさえずりと地鳴きがあります。
シジュウカラのさえずりは「ツピーツピー」地鳴きは「チッチッ」などですが、バリエーションが豊かです。
この鳴き声に着目したのが京都大学白眉センターの鈴木俊貴さんです。
鈴木さんは自宅から大学までの400mを歩きながら野鳥の声に耳を澄まし、どんな会話をしているんだろうかと考えているそうです。
確かに身近な野鳥のさえずりや地鳴きはよく知られていますが、その意味ははっきりと分かっていません。
鈴木さんがシジュウカラ科に注目したのは、シジュウカラ科の鳴き声が非常に複雑なことに気づいたからです。
たとえば、シジュウカラはタカをみつけると「ヒーヒー」、カラスをみつけると「ピーツピ」、ヘビをみつけると「ジャージャー」と捕食者に応じて鳴き声を変えます。
警戒の声以外にも、「ピーツィ」、「ヂヂヂヂ」、「チッチッチ」など、様々な声を使い分けて仲間とコミュニケーションを取っています。
ちなみに「ヂヂヂヂ」は「集まれ!」という意味、「ピーツピ」は「警戒しろ!」という意味で、『ピーツピ・ヂヂヂヂ』は、「警戒しながら集まれ」という意味になります。
単語を順に並べることで文章を作っていること、カラ類の間で言葉が通じていることも鈴木さんの研究で明らかになりました。
シジュウカラの鳴き声には意味がある?明らかになる動物の能力
かつて道具を使う動物は人間だけと言われていました。今では多くの動物が道具を使って生きていることが分かっています。
そして言語によるコミュニケーションも人間だけと言われていましたが、シジュウカラの研究でそれも覆されました。
鈴木さんの研究ではシジュウカラの言葉には「方言」があったり、開けた環境に暮らすシジュウカラは無口だったりすることも分かっています。
今後の研究でどんなことが明らかになるのか楽しみですね。
みなさんも近所のシジュウカラの鳴き声に耳を澄ませてみませんか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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