どの家庭にも必ずある片栗粉、唐揚げにまぶしたり、中華料理のとろみづけなど大活躍です。
小麦粉は小麦の粉末、米粉は米の粉末、では片栗粉は何の粉末?袋の表示をみると「じゃがいもでんぷん」と書いてあります。片栗粉は英語では「potato starch」ジャガイモの粉です。
じゃがいもの別名は片栗?いいえ、カタクリという植物が存在するんです。
片栗粉は何の粉?カタクリとは?
カタクリはユリ科カタクリ属の球根で増える植物です。
カタクリは早春の落葉広葉樹林の林床を飾る植物として、フクジュソウなどとともに「春植物」(スプリングエフェメラル)と呼ばれます。
「春植物」とは、早春にほかの草木に先駆けて芽生え、花を咲かせると、ほかの植物が大きくなる初夏には休眠に入ってしまう植物です。
落葉樹が新しい葉を広げるまえの林床が明るい期間を利用して繁殖するんです。
そのため、地上部は春の3か月間しか見ることができません。春の間に次の春までに必要な栄養を球根に蓄えて、秋には地下で根が伸びて発芽の準備を整えています。
カタクリの花言葉は「初恋」「寂しさに耐え抜く」です。これはカタクリが人気のない場所にひっそりと咲く姿が、うまく気持ちを伝えられない初恋の切なさを連想させるからです。
片栗粉は何の粉?昔の片栗粉は本当に片栗の粉だった⁈
カタクリは低山から山地の落葉樹林、ときに亜高山帯の雪が遅くまで残るくぼ地などに生えます。
私が住んでいる九州では標高1000メートル以上の山に登らないとカタクリを見ることはできません。
私はお隣の山口県の弟見山(おととみやま・標高1085m)までカタクリを見に足を延ばしました。
昔はカタクリの群生地は珍しくなかったようですが、現在ではとても限られています。
昔の人はカタクリが早春に光合成でせっせと次の春に備えて根に蓄えたでんぷんを根を掘り起こして利用していたんですね。だから「片栗粉」なのです。
今はカタクリは希少な植物のため、私たちは大量に採れるじゃがいものでんぷんを利用していますが、「片栗粉」の名前はそのまま残っています。
ちなみに夏の和スイーツとして人気の「わらび餅」も、本物のわらび餅はわらびの根から取ったでんぷん(わらび粉)で作られています。
スーパーなどで安く売られているわらび餅はじゃがいものでんぷんで作られています。
身近な食品もその由来などを調べてみると、面白い発見があるものですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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