麦秋は5月の時候のあいさつ

麦秋 植物

麦秋の候」という時候の挨拶を知っていますか?それは何月のことでしょうか?
秋と言えば9月から11月くらいのことですが、秋まきの麦が実るのは5月です
だから、麦秋の候は5月の時候のあいさつなのです。

はなちゃん
はなちゃん

5月は麦にとっては実りの秋なんだよね

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麦秋は5月の時候のあいさつ 秋まき麦とは?

秋まき麦は名前の通り、秋に種をまいて発芽して苗の状態で冬を越し、春に花が咲いて初夏に実る麦のことです。
ちょうど5月頃に畑が黄金色になっているところを見たことはありませんか?
私が住んでいる九州では冬が温暖で積雪もないので、二毛作で麦を育てることが多いです。
だから、5月にはきれいな黄金色の麦畑をあちこちで見かけます。
麦の収穫が終わると、麦畑は水を張って水田に変身し、田植えを迎えます。

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麦秋は5月の時候のあいさつ 麦は踏まれて強くなる⁈

私は大学時代農学部に所属していて、いろいろな実習をしました。
その中に「麦踏み」の実習があって、とても印象に残っています。
麦踏みは真冬の寒い時期に麦畑で芽生えのひとつひとつを踏んでいく作業です。
麦の苗は踏まれることで太く強くなります

先生から麦踏みをするように指示されたとき、「なんでそんなことをするんだろう。枯れちゃうよ!」と思った記憶があります。とっても寒い実習でした。

麦の苗は踏まれるとその物理的な刺激によって「エチレン」という植物ホルモンを分泌するようになります。この「エチレン」によって茎が太くなり、丈夫な麦に育つのです。

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麦秋は5月の時候のあいさつ エチレンのはたらき

エチレンは植物ホルモンの1種で、茎を太くする効果のほかに果実の成熟をうながす働きがあります。

バナナはフィリピンなどから青い未熟な状態で輸入されて、エチレンで黄色に成熟させてから市場に出回ります。北九州市の門司港は輸入バナナを出荷する港で、売れ残ったバナナをたたき売りしたことから「バナナのたたき売り発祥の地」で有名です。
買ってきた果物が未熟ではやく食べたいときはリンゴと一緒にポリ袋に入れておくとリンゴが出すエチレンによって早く熟しますよ。

逆に熟させずに長く保存したいときはエチレンを取り除くといいです。エチレンを吸収する作用のある保存袋が市販されていますし、エチレンを吸収する作用のある冷蔵庫もあります。

バナナを房で買ってきて、長持ちさせたいときは1本ずつばらばらにして離しておくとお互いが出すエチレンの影響が小さくなるので、長持ちしますよ。

「麦秋の候」という時候のあいさつから植物ホルモンの豆知識に話が発展してしまいました。
昔から行われている農作業にも科学的な裏付けがあって、調べると世界が広がって楽しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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