オオサンショウウオを知っていますか?特別天然記念物の両生類です。
日本にはさまざまなサンショウウオの仲間が分布していますが、オオサンショウウオはその中でも最大です。
しかも長い間体の形を変えていない「生きた化石」でもあり、各地にオオサンショウウオ伝説が残っています。
ここではオオサンショウウオの寿命や生息地のほかに日本各地のオオサンショウウオを題材とした取り組みを紹介します。
オオサンショウウオは特別天然記念物?オオサンショウウオとは?
オオサンショウウオはオオサンショウウオ科の日本固有種で、世界最大の両生類です。
3千年前の化石と比べても体の構造がほとんど変わっていない「生きた化石」です。
本州・四国・九州の川の水のきれいな中上流部にみられます。日本各地の水族館や博物館で飼育されています。
体長は平均60センチ、全身は茶褐色で黒の斑点があり、川底に似た保護色になっています。
これまでに最大150センチのオオサンショウウオが発見された報告がありますが、最近は護岸工事などの影響か、大きな個体は発見されていません。
大きな扁平な頭に直径2ミリのまぶたのないまんまるの目、大きく裂けた口はグロテスクなようで、とてもかわいいです。
私がはじめてオオサンショウウオを見たのは、北九州市の「いのちのたび博物館」です。ホルマリン漬けのオオサンショウウオの姿にちょっと怖いなと感じました。
生きたオオサンショウウオを見たのも同じ博物館ですが、ホルマリン漬けと違って「なんかかわいい!」と思いました。
短いあしで水そうの底をちまちま歩く姿はとてもかわいいですよ!
オオサンショウウオは特別天然記念物?寿命は?
オオサンショウウオはとても長生きの両生類です。
卵からふ化した幼生にはえらがあります。幼生は約5年で20センチほどに成長して、えらがなくなり肺呼吸を始めます。
約20年で40センチほどに成長して、成熟しておとなのサンショウウオになります。
体長が50センチの個体はすでに70年は生きていると考えられています。
オオサンショウウオの寿命は100年以上といわれていますが、古くから親しまれている動物のわりに学術的な研究の歴史は浅く、オオサンショウウオの寿命はわからないことが多いのです。
広島や岡山、京都などでオオサンショウウオの保護や研究が進んでいます。今後の報告が楽しみですね。
オオサンショウウオは特別天然記念物?生息地は?
オオサンショウウオは本州中部地方から四国、九州の山間を流れる川に生息しています。
特に中国地方は有名な生息地です。渓流だけでなく、用水路で見つかったこともあります。
昼間は岩陰や川岸の穴にひそんでいて、夜になると小魚やエビ・サワガニなどをつかまえて食べます。
両生類ですが、陸に上がることはなく水の中で生活しています。
繁殖期の夏になると川をさかのぼって流れがゆるやかなところで繁殖します。
繁殖のようすも変わっていて、一匹のメスに対して「ヌシ」とよばれる大きなオスと複数のオスで産卵・受精します。
そのあと次々に他のメスも同じ巣穴にきて同じように産卵します。
巣穴の大きな卵のかたまりは「ヌシ」がふ化するまで守るのです。
繁殖行動は不思議なことばかりですね。
オオサンショウウオは特別天然記念物?地域の取り組みは?
ちょっとグロテスクな見た目と生態になぞが多いオオサンショウウオですが、昔から生息地では畏れられてきました。
岡山県には「はんざき大明神」という神社があります。これはこの地域で起こった洪水が、川に住むオオサンショウウオの祟りだと畏れられたためです。
広島県ではオオサンショウウオは県の文化財に指定されていて、広島市安佐動物公園で展示されています。
また、地元の高校生とコラボ企画の「オオサンショウウオこんにゃく」が通信販売されています。これはなんと2か月待ちだとか!
兵庫県朝来市ではオオサンショウウオの保護活動資金をふるさと納税によるクラウドファンディングで集めていました。(現在は終了)
京都市水族館のオオサンショウウオのオリジナルぬいぐるみも大人気です。私も欲しいなあ~
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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