「ヒーヨヒーヨ」と鳴きながら波状に飛ぶ身近な野鳥、それはヒヨドリです。
樹木があれば市街地でも全国で普通に見られる留鳥(一年中見られる鳥)ですが、庭にヒヨドリが巣を作ると縁起がいいとされていたり、逆に害鳥扱いされていたりと知らない面もたくさん。
そんなヒヨドリについて調べてみました。
ヒヨドリの鳴き声はうるさい。実は害鳥?ヒヨドリは日本固有種⁈
全身灰色でボサボサ頭にオレンジ色の頬が可愛らしいヒヨドリはスズメ目ヒヨドリ科の野鳥です。
全長28センチ、翼を広げると40センチで鳩よりも一回り小さく、ムクドリよりも一回り大きいです。
とってもおしゃべりな野鳥で、「ヒーヨヒーヨ」のほかに「ピーピー」など鳴き声のバラエティーは豊かです。そして音量が大きい!時々うるさいなあと思います。
全国の林・市街地・農耕地で一年中見られますが、北国で繁殖する群れは秋になると南に移動します。
ヒヨドリはサハリンや朝鮮半島などにも分布していますが、非常に個体数が少ないので「ほぼ日本固有種」ということができます。
ヒヨドリの鳴き声はうるさい。ヒヨドリの巣は縁起がいい?
ツバメは人が住むところに好んで巣を作り子育てをすることはよく知られています。
駅や商店の軒先に作られたツバメの巣を駅員さんや住民の方が優しく見守る様子が報道されることもありますね。
最近は聞かなくなりましたが、実はヒヨドリも庭に巣を作ると縁起が良いと考えられていたそうです。
ヒヨドリの巣は比較的に木の低いところに作られます。以前勤務していた学校で、一階の教室の窓を開けると、目の前の木にヒヨドリが営巣していてびっくりしたことがあります。
ただし、ヒヨドリは鳴き声がうるさいし、あんまり巣を覗くと育児放棄するかもしれませんので、気を遣いますね。
ヒヨドリの鳴き声はうるさい。実は害鳥?農家の敵?
ヒヨドリは繁殖期には昆虫を好んで食べますが、秋から冬にかけては草木の実を食べます。花の蜜も大好きです。
ウメやサクラ、ツバキなどの花が咲くとメジロを追い出すようにヒヨドリがやってきて、顔を花粉だらけにして蜜を舐めています。
花から花へヒヨドリが移動することで、植物も受粉ができて子孫が残せるのです。
また、草木の実を食べることで、種子を遠くまで運ぶ役割もしています。
一方ヒヨドリによる農作物の被害も報告されていて、柑橘類やキャベツなどの野菜を好んで食べます。
特に柑橘類の被害が大きく、害鳥として狩猟の対象にもなっています。
鳴き声はちょっとうるさいけれど、ボサボサ頭やオレンジ色の頬が愛嬌があって身近な野鳥であるヒヨドリですが、駆除や狩猟の対象になっていることは驚きでした。
農家にとっては手塩にかけた作物や果実を食い荒らされては困りますが、ヒヨドリもエサの少ない冬を乗り越えようと必死です。
野生の生きものと人間の生活のバランスをどこで取るか、永遠の課題ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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