みなさんは「アナグマ」を知っていますか?写真を見せると、「えっ!タヌキじゃないの?」と返事が返ってきます。
二ホンアナグマは昔から私たちの近くに住んでいる動物です。名前にクマが付いていますが、イタチの仲間です。
先日山に登った時に、反対方向から走ってくるアナグマを目撃しました!あの子は何を急いでいたのでしょうね?
私の存在を完全無視してすれ違ったので、「お前それでも野生動物か⁉」と内心ツッコミを入れました。(笑)
私は食べたことはありませんが、アナグマはジビエとしても人気で、ダックスフントという犬種はアナグマを狩るために品種改良されたものです。
ドイツ語でダックス=アナグマ、フント=イヌなんですよ。意外と知らない人が多いようです。
身近な動物なのにマイナーなアナグマにスポットライトを当ててみましょう。
アナグマとタヌキは同じ穴のムジナ?アナグマはどんな動物?
ニホンアナグマは、本州、四国、九州に生息しています。世界にアナグマの仲間は、ヨーロッパアナグマと、アジアアナグマが生息していて、ユーラシア大陸の広い範囲に分布しています。
二ホンアナグマはイタチ科、アナグマ属に分類される雑食性の動物です。11月下旬~4月、暖かくなる季節まで冬眠しますが、地域によっては1年を通して活動することもあります。
身体の大きさは約40~50cm、尻尾の長さは約6~12cm、重さは約4~12kg、体色は茶褐色~灰色で、ずんぐりとした体形が特徴です。
秋になると丸々と太るので、ツキノワグマと間違われることもあるようです。とてもスリムですばしっこいイタチの仲間には見えませんが、走り方がイタチっぽいですよ。
アナグマは、名前の通り穴を掘って巣を作ります。アナグマが掘って使った後の巣を、タヌキやハクビシンなど同じようなサイズの動物が使うことが報告されています。
このことから「同じ穴のムジナ」という言葉が生まれたのだとか。「ムジナ」はタヌキを指すあるいはアナグマを指す場合もあります。
また、アナグマがタヌキが「ため糞」をしている場所で糞をしていた報告もあります。アナグマとタヌキは、見た目が似ているだけでなく、意外と関わり合いのある生活をしているのかもしれません。
アナグマは土を掘るのに適した前足と、大きめの鼻を使って土中のミミズを掘って食べる頻度が高いようです。雑食性なので植物も食べますが、ミミズや昆虫の方が好きみたいですよ。
実はアナグマは美味しくてジビエで人気⁉
ジビエとはフランス語で野生の鳥獣を狩りで仕留めた食肉を意味する意味で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として、古くから親しまれてきました。
アナグマはこのジビエ料理の美味な食材として、多くのジビエ料理ファンに知られています。
シカ肉やイノシシの肉やウサギの肉などもこのジビエ料理の食材として知られています。
アナグマ肉は幻のジビエといわれていて、最大の特徴は、皮の下に厚くたまった脂肪です。
ジビエのサイトによると、オススメのアナグマ料理は「すき焼き」だそうです。アナグマ肉を焼いて出た油で、白菜やネギ、春菊、豆腐、キノコ類などの具材を炒め、調味料を加えて煮ると、野性味があって調和のとれた「幻のジビエ」の味だそうです。
アナグマ肉は、東京にアナグマ料理の専門店があったほど人気がありますが、アナグマ肉は猪肉や鹿肉に比べて、ほとんど流通していません。
興味のある方はジビエのネット通販などで調べてみてください。
アナグマとタヌキは同じ穴のムジナ?実はアナグマは害獣として扱われることも!
二ホンアナグマの性格は基本的に温厚で、警戒心も他の野生動物と比べて強くありません。
人間に慣れている二ホンアナグマは、人間が自分に近づいてもなかなか逃げないこともあるでしょう。
アナグマは雑食性ですので、彼らが住む森や草原に餌がなければ、人里に来て農作物まで食べることもあります。
被害に遭う農作物は、トウモロコシや落花生、スイカなどから、柿などの木の実まで幅が広いです。
彼らにとっては、自分たちが食べられるかそうでないかが問題であり、人間が育てている作物かどうかは問題ではないのです。
さらに、アナグマは基本的に地面に穴を掘って巣をつくります。この巣は継続的に使われていて、使われる度に大きくなっていきます。
このことから地面にアナグマの巣をつくられてしまえば、地面の下、地下は空洞になってしまい、その土地の地盤は緩くなってしまいます。
建物の下にアナグマの巣がつくられてしまうと、地震が起きたときに、建物に被害が出る可能性があります。
害獣としてアナグマを駆除する場合、誰でも簡単に駆除をしてもいいわけではありません。
アナグマは環境省でも認められている「害獣」である反面、鳥獣保護管理法という法律で保護されている動物でもあります。
この鳥獣保護管理法は、野生の動物を傷つけたり殺すことを禁じています。
アナグマを駆除したい場合は市町村などに相談して、きちんと手続きを取ってください。
私は、野生のアナグマが自分たちのなわばりで、餌を食べて次の世代に命をつないでいける環境を維持して、人間と共存していけることが理想だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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