南米にはハキリアリという珍しい昆虫がいます。
なんと「農業」をするんです。えっ!昆虫が農業?
信じられないかもしれませんね。
ハキリアリはどんな昆虫なのでしょうか
ハキリアリは農業でキノコ栽培?生息地は?
ハキリアリは中南米の熱帯雨林を中心に広く分布するアリの一種です。
日本には生息していません。ときどきテレビの動物番組で見かけることがあります。
アリの行列が切り取った葉っぱを運んでいるシーンをみたことはありませんか?
ハキリアリはハキリアリ属などに含まれるアリの総称で、英語ではLeaf cutting antと呼ばれます。
ハキリアリは地中に巨大な巣を作り、切り取った葉を材料にしてキノコ栽培をしているのです。
ハキリアリは農業でキノコ栽培?農業は人間より先輩?
ハキリアリは巣の中に直径15センチ程度のキノコ畑をたくさん作ります。
このキノコ畑の榾木(ほだぎ)として使われるのが切り取った葉なのです。
ハキリアリのキノコ栽培は数千万年前から始まったと考えられています。
人間の農業の始まりはおよそ一万年前ですから、足元にも及ばない歴史があるんですね。
ハキリアリが育てたキノコは女王アリや幼虫のエサになります。
女王アリや幼虫はキノコだけを食べて生活をしています。
ハキリアリの種類によって育てるキノコの種類も異なりますが、栄養満点のようですね。
ハキリアリは農業でキノコ栽培?ハキリアリは害虫⁈
ハキリアリは植物の葉を丈夫な大あごで切り取って巣に運び、キノコ栽培に使います。
だからハキリアリの生息地では農作物の葉が切り取られ、深刻な被害を出しています。
また、ハキリアリの巣は地中に作られ、かなり巨大なため、建物の下に巣ができると傾いてしまったり、巣の上をトラクターが通った時に陥没して横転する事故も起こっています。
ハキリアリは大変魅力的な昆虫ですが、生息地では大害虫なのです。ブラジルでは国家予算の一割をハキリアリ対策に割いていると言われます。
ハキリアリは農業でキノコ栽培?女王アリは長寿で巨大?
ハキリアリの巣は一匹の女王アリとたくさんの働きアリ(すべてメス)で構成されています。
働きアリの大きさは階級によって異なりますが、最大で1センチ程度、寿命は3カ月です。
これに対して女王アリは体長3センチ越え、一見アリには見えません、カナブンみたいです。
そして寿命はなんと20年!びっくりしますね。
女王アリはからだにオスの精子を蓄えて、働きアリからキノコをもらいながら一生卵を産み続けます。
また、働きアリは若いうちは巣の中の仕事を、年をとると巣の外の仕事をするようになり、みんな勤勉で「サボリアリ」はいないそうです。
ハキリアリは日本には生息していません。私は先日中米のコスタリカに行きました。そこで一生懸命葉っぱを運ぶハキリアリを見ることができました。念願が叶いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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