バッタの代表と言えばトノサマバッタですよね。(私は個人的にはショウリョウバッタが好きです)
昭和世代の方は仮面ライダー1号2号がトノサマバッタの能力を取り入れた改造人間であることをご存じですよね。
私は大学時代にトノサマバッタの顔を実体顕微鏡で見て、まさに仮面ライダーだったので友達と盛り上がった記憶があります。
身近なトノサマバッタはどのような昆虫なのでしょうか。
トノサマバッタの驚きの生態 何を食べているの?
トノサマバッタはイネ科の植物の葉が大好きです。ススキやエノコログサ、稲の葉をよく食べています。
同じイネ科でも、笹の葉は固いのであまり食べないようです。
また、トノサマバッタは他の昆虫も食べます。植物中心でちょっと肉食の昆虫と思ってください。(共食いもします)
トノサマバッタを捕まえようと思ったら、森よりも田んぼや草地を探すといいですよ。
トノサマバッタの口には大あごという構造があります。大あごの下の方は鋭くとがっており、ハサミのように葉を切り取ります。
大あごの上の方はすり鉢のようになっていて、切り取った葉をすりつぶして食べています。
トノサマバッタの驚きの生態 寿命は?
トノサマバッタの寿命はだいたい3ヶ月です。
1年に2回産卵し、春に生まれた卵はふ化して成虫になりますが、秋に生まれた卵は冬を越してからふ化します。
一定期間低温を経験しないと次のステップに進まない現象は「春化」といい、植物にも見られる現象です。
トノサマバッタの驚きの生態 幼虫はどんな形?
トノサマバッタの卵がふ化すると中から幼虫が出てきます。
大きさは8mmくらいですが、すでにトノサマバッタの形をしています。
昆虫の一生というと幼虫→さなぎ→成虫と2回形が大きく変わるチョウのイメージが強いと思います。
チョウのように幼虫からさなぎを経て、形が大きく変化する場合を「完全変態」といいます。
一方、バッタのように「さなぎ」の時期がなくて形が大きく変わらない場合は「不完全変態」といいます。
トノサマバッタの驚きの生態 茶色のバッタもいる⁈
「トノサマバッタは何色?」と聞かれたら、大多数の人が緑色と答えますよね。
仮面ライダーも緑色でしたもんね。しかし、ときどき茶色のバッタを見かけませんか?
「形はトノサマバッタだけど茶色だから別のバッタかなあ?」と思ったことはありませんか?
実はトノサマバッタには茶色のものもいるんです。
トノサマバッタの驚きの生態 育った環境で変身する⁈
トノサマバッタには「孤独相(こどくそう)」と「群生相(ぐんせいそう)」があります。
遺伝的には同じバッタですが、生まれ育った環境で変化します。
このような現象を「相変異(そうへんい)」といいバッタの仲間で広く見られます。
「孤独相」はバッタの数が少ない時(個体群密度が低いといいます)の形です。
体は緑色で大型、後ろ脚が長く、単独でのんびり暮らします。
個体群密度が低いので餌を巡る争いが少なく、餌を求めて移動する必要がないのです。
「群生相」はバッタが大発生した時(個体群密度が高いといいます)の形です。
体は茶色で小型、後ろ脚が短く、はねが長く、飛ぶ能力が高いです。
集団で移動し、植物を食べつくしては餌を求めて次の場所に移動します。
2020年にアフリカでサバクトビバッタが大発生して、農作物が被害を受け、食糧危機が起こったことをご存じですか?
サバクトビバッタは1日に100キロメートルも移動します。
この年にはおよそ2100万人分の食料をバッタが食べつくしたというデータがあります。
バッタの大発生による被害を蝗害(こうがい)といいます。
蝗害は世界各地で繰り返し起こり、多くの人が蝗害が原因の飢餓に苦しんでいます。
これも自然災害の一つといえるでしょう。
日本でも1986年に鹿児島県の馬毛島でトノサマバッタの大量発生が起こりました。
私は伊坂幸太郎の「グラスホッパー」という小説を読みましたが、その中でバッタが密度が高い環境で群生相になり凶暴になる話が出てきて、人間も都会では密度が高いので凶暴化するという話が出てきてゾッとしました。
トノサマバッタを食べちゃう⁈
最近、「昆虫食」という言葉をよく聞きます。近所にも昆虫食の自販機があります。
無印良品からコオロギせんべいやコオロギチョコレートが発売されています。
昆虫を食べたことはありますか?
昆虫食の文化を持つ国はたくさんありますし、日本でも海から遠い地方では古くから昆虫食が根付いています。
筆者はイナゴの佃煮、蜂の子、カイコのさなぎの佃煮などを食べたことがあります。
広い意味で甲殻類なので、エビのような味がして、割と好きな味です。
もちろん、無印良品のコオロギせんべいやコオロギチョコレートは試しましたよ。
日本は少子化が進み、人口が減っていますが、世界的には人口はどんどん増えています。
人類を支える貴重なたんぱく源として、昆虫食は注目されています。
トノサマバッタが食卓にあがる日も遠くないと思います。
すでに食べたことがある人の感想では、あまりクセのない食べやすい味だとか。
トノサマバッタは夏休みの自由研究のテーマとしても有望
トノサマバッタは身近な昆虫ですが、じっくりと観察したり、飼育した経験がある人は少ないでしょう。
この夏休みにトノサマバッタを飼育して、餌の好みや食べ方、体の構造の観察などを行って自由研究としてまとめてみてはどうでしょうか?
高学年の方にはバッタの大発生について、インターネットで調べてまとめるのもおすすめです。
バッタの大発生の原因なども調べて、今後の対策について考察するといいですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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