みなさんは「オオワシ」を知っていますか?日本最大の猛禽類(もうきんるい)です。
10月末頃にサハリンやシベリアから越冬のために北海道に渡ってくる冬鳥です。
1970年に日本の天然記念物に指定された貴重な鳥で絶滅危惧種でもあります。
私は先週北海道に流氷を見に行きました。もちろん流氷を見るだけでなく、冬の北海道で会える動物を見ることも目的でした。
前日の南風で沖に流されていた流氷が私が訪ねたときは北西の風が吹いて、運よく流氷を見ることができました。
そして流氷の上で休憩するオオワシの姿も見ることができました。
では「オオワシ」とはどのような鳥なのでしょうか?
オオワシはどこで見られる?
オオワシは10月末にサハリンやシベリアから日本に渡ってくる冬鳥で、日本ではおもに北海道で見られます。
オオワシの英名はSteller’s Sea Eagleで、名前の通りおもに海で魚を狩ってエサにしています。
11月から3月まで北海道のオホーツク海沿岸に多く生息し、知床や風蓮湖・十勝川温泉では「オオワシ撮影ツアー」なども企画されています。
撮影ツアーではエサを撒いて船から近い距離でオオワシを撮影できるようにしているとか、オオワシの雄姿を自分のカメラで撮影したいと思っている人にはたまらない企画ですね。
オオワシの特徴は?
オオワシの全長はオスが89cm、メスが102cm。翼を広げた大きさは250cmにもなります。
全身はほぼ黒色で、翼の前と尾羽、足の羽毛が白色で、遠くからもこの白色はよく目立ちます。
くちばしは大きくてオレンジ色をしていてとても目立ちます。
日本では本州の山岳地帯にすむイヌワシよりも大きく、最大のワシです。
越冬のために主に北海道に渡ってきて、流氷におりたり、港に飛んできて魚を狙ったり、弱った水鳥や海獣を捕らえたり、死骸を食べることもあります。
最近はエゾシカの死体を狙って内陸部にもオオワシが見られるようになりました。
私もちょうど高速道路を走っているときにエゾシカの死体に群がるカラスに交じってオオワシの姿を見ました。
オオワシと一緒にオジロワシも見られますが、オジロワシは全身が茶色で尾羽が白いので区別できます。
オオワシが抱える課題とは
オオワシは1970年に天然記念物に指定されました。また、絶滅危惧種で絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)に指定されています。
種としての総個体数は約4,600~5,100羽と推定されており、減少傾向にあります。(IUCN, 2013)
オオワシの主な食物は魚や海獣ですが、北海道ではエゾシカの個体数が増え、その死体を食べるオオワシも増えています。
害獣駆除のために鉛の弾を撃ち込まれたエゾシカの死体をオオワシが食べ、鉛中毒になった例もあります。
北海道の林業や農業においてエゾシカの増加や食害は深刻な問題ですが、猟銃で駆除する場合も配慮が必要ではないかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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